API Tech社、レストラン品質のピザを24時間年中無休で提供
API Tech社は、SOLIDWORKSと3DEXPERIENCEを活用することで、高品質、優れた一貫性、迅速な市場展開を実現しながら、Smart Pizzaによるピザの販売を世界中に拡大しています。
課題
冷蔵庫、オーブン モジュール、自動提供機能を搭載した、新しい革新的な自動販売機の市場を世界規模に拡大して、焼き立てのピザを24時間提供する。
解決策
小規模チームから多国籍メーカーへと急成長していたため、その成長スピードに対応できるだけのデジタル ツールを必要としていた。そこで、3DEXPERIENCEプラットフォームを導入して、部品表 (BOM) 管理を効率化した。
結果
• 設計の変更と検証を迅速に行って、市場の要件に対応する
• 複数の製造拠点にわたって、製造の一貫性を確保して、品質を管理する
• 機械データ、電気データ、シミュレーション データ、自動化データのすべてを単一のプラットフォームで管理する
• 地理的に分散したチーム間で設計データの共有と更新を安全に実行する
API Tech社は、産業オートメーションを専門とする企業として、2004年にフランスで創業しました。2016年にMentorグループの傘下に入り、フード テック (食品技術) に軸足を移したのを契機に急成長を遂げました。「2016年からフード テック オートメーションを専門に行ってきました。主力製品はSmart Pizza(ピザの自動販売機)ですが、バゲットの自動販売機やロッカー式の自動販売機も扱っています」と、API Tech社、ディレクター代理のLoïc Michaux氏は言います。
Smart Pizzaは、通常の自動販売機とは異なり、各ユニットに冷蔵庫、オーブン モジュール、自動提供機能が統合されているため、お客様は焼き立てのピザを24時間いつでも召し上がることができます。注文から提供までの所要時間は3分未満です。同社の自動販売機を導入すれば、営業時間を拡大したり、通常であれば開店できないような場所でも営業できるようになるとMichaux氏は言います。

イノベーションによる成長
2016年、API Tech社の従業員数はわずか5人でした。2025年には、その数が約700人にまで増え、年間売上高は2億ドルを超えています。この急成長の原動力となったのは、同社製品に対する需要の拡大だけではありません。製造プロセスのあらゆる側面に対する同社の献身的な姿勢がこの急成長をもたらしました。
「製造の全工程をカバーできるように、毎年、新しい職種を追加していきました。特に強化したのが設計部門です。その結果、新しい自動販売機を次々と開発して、製品ラインナップを拡大することができました」と、Michaux氏は述べます。「当社の目標は、フランスだけでなく、米国をはじめ、(ピザを愛する)すべての国において、フード テックのリーダーになることです」

関連リソース
3DEXPERIENCEプラットフォームにより、SOLIDWORKSの設計、BOMデータ、シミュレーション データの間でデジタルな連続性を確保して、シームレスなプロセスへとまとめることができます。また、いつでも最新の状態のデータにアクセスできるようになりました。
世界最大のピザ市場に進出
この目標の達成を目指して、API Tech社は米国へと進出しました。2019年にニューヨーク オフィスを開設し、「世界最大のピザ市場と自動販売機市場である米国(Michaux氏談)」での事業を開始しました。Smart Pizzaを導入することで、事業者は多角化を図り、新規顧客にリーチして、ピザとアクセサリ(自社ブランド名が印刷されたピザの箱や食品配達用の容器など)の販売を通じて安定した経常収益を創出できると、API Tech社の米国ビジネス開発マネージャー、Detlev Goedbloed氏は言います。
Smart Pizzaでは、最大96枚の半焼きのピザを格納して、本格的な窯焼きオーブンで一度に2枚のピザを焼き上げて、わずか3分でレストラン品質のピザを製造できます。200種類のピザのレシピに対応できるだけの柔軟性も備えています。ガソリン スタンド、病院、オフィス ビル、学校など、歩行者が多く、24時間体制の食品サービスが必要とされている場所であれば、どこにでも設置できます。

デジタルな連続性の基盤
小規模チームから多国籍メーカーへと成長するにあたって、エンジニアリングや製造の面で大きな課題に直面しました。目覚ましい成長スピードに対応するためにはデジタル ツールが必要不可欠だったと、API Tech社の産業化担当責任者、Paul-Emmanuel Magnin氏は言います。「成長を続けた結果、フランス国内外に複数の製造拠点を開設しました。各製造拠点では、異なる部品を使用して同じユニットを製造しています」そのため、効率的な部品表(BOM)管理が不可欠だとMagnin氏は言います。
そこで、すでにSOLIDWORKS®のソリューションを活用していたAPI Tech社は、3DEXPERIENCE®プラットフォームを導入することにしました。「このプラットフォームにより、SOLIDWORKSの設計、BOMデータ、シミュレーション データの間でデジタルな連続性を確保して、シームレスなプロセスへと一元化できます」と、Magnin氏は言います。「また、いつでも最新の状態のデータにアクセスできるようになりました」
クラウドベースの3DEXPERIENCEにより、API Tech社はエンジニアリングBOM(EBOM)と製造BOM(MBOM)の両方を単一の環境で管理できるようになりました。また、すべての電気回路図、オートメーション プログラム、関連文書を一元管理する予定です。「すべてのデータを3DEXPERIENCEプラットフォームで管理できるため、大幅な時間短縮につながっています」とMagnin氏は語ります。

競争力をもたらす設計
SOLIDWORKSは、API Tech社の設計ワークフローにおいて重要な役割を果たしています。エンジニアは、機械アセンブリ、電気システムのレイアウト、エンクロージャの設計について、極めて詳細なモデルを作成できます。3DEXPERIENCEでは、設計を更新すると、その更新が適切なチームと拠点に自動的に反映されるため、エラーを最小限に抑えて、製造の遅延を回避できます。
この機能は、さまざまな国や気候に合わせてSmart Pizzaの設計を変更する必要がある場合には特に重要となります。ノルウェーの屋外に設置する場合と、ニューヨークの屋内に設置する場合とでは、熱要件や環境要件が大きく異なるためです。デジタル シミュレーションにより、エンジニアは、実際に製造する前に設計を仮想的に検証できるため、試作品コストを削減して、製品開発期間を短縮できます。

将来の成長をサポート
SOLIDWORKSと3DEXPERIENCEプラットフォームを組み合わせて使用することで、API Tech社はエンジニアリングとデータ管理を単一の環境にまとめることができました。この組み合わせにより、次のことが可能になります。
• 設計の変更と検証を迅速に行って、さまざまな市場要件や法規制に対応する
• 複数の製造拠点にわたって、製造の一貫性を確保して、品質を管理する
• 機械データ、電気データ、シミュレーション データ、自動化データのすべてを単一のBOM構造で管理する
• 地理的に分散したチーム間で設計データの共有と更新を安全に実行する
この統合型アプローチにより、API Tech社は、複雑な食品自動販売システムを大規模に製造して保守できるようになりました。すべてのデータを一元管理することで、エラーを削減して、リード タイムを短縮し、世界中の製造拠点の事業上の要求に対応することができます。
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