Arena社、試作品作成サイクルを70%短縮

Arena社の創設者であり、Adidas社創設者の息子でもあるHorst Dassler氏は、1972年に開催されたミュンヘン オリンピックでマーク・スピッツが7個の金メダルを獲得し、7つの世界新記録を樹立するという歴史的な場面をプール サイドで目撃しました。Dassler氏はすぐに、水泳競技用の高性能な水着を製造する水着メーカー設立の計画策定に取り掛かりました。

ミュンヘン オリンピックから1年後の1973年、Arena社は初の競技用水着シリーズであるSkinfit®を発売しました。超軽量繊維でできたこの新しい水着はわずか18gで、スイムマーの体にまるで皮膚のようにぴったりフィットする設計でした。

現在、Arena社はイタリア中央部のトレンティーノに本社を置いており、スイマー用の高品質な水着、用具、アクセサリーの製造を専門としています。
 

Arena社の最高情報責任者であるAndrea Mazzanti氏は、新しい水着や関連製品の試作品の作成にかかる時間を削減する必要があると感じていました。また、同社の炭素排出量を削減したいと考えていました。3Dプリント モデルに移行することで、新製品の試作品を製作するためのライフサイクルを短縮できました。また、3DEXPERIENCE® Worksを追加することで、すべての設計者は最新のフィードバックに基づいて、リアルタイムでモデルを作成、テスト、最適化できるようになりました。

Mazzanti氏は次のように説明します。「3DEXPERIENCEにより、設計者と、必要なすべての人々を結び付け、エコシステムを作り上げることができます」Arena社では主に、3DEXPERIENCEをSOLIDWORKS®および3D Sculptorとともに使用しており、Simulationも使用しています。3DEXPERIENCE Worksにより、試作品作成サイクルを70%短縮するとともに、製品の不具合を減らすことで、市場投入までの時間を短縮し、品質を向上させています。
 

試作品作成サイクル短縮によるもう1つの歓迎すべきメリットとして、炭素排出量の削減による持続可能性向上があります。Mazzanti氏は続けます。「設計オフィスですべてをシミュレーションすることで、製品サンプルをいくつも作成したり、第三者による製品サンプルを使用したりする必要がなくなり、CO2排出量を削減できます」

Mazzanti氏は、デジタル技術が引き続きArena社のスイマー向け製品の改善に役立つと見ています。特に、水中で泳ぐ際の水着の生地の性能に関して画像を撮影し、データを測定および追跡することで、製品の改善につながると考えています。テクノロジーは、スマート ファイバーの開発と試験にも役立ちます。
 

3DEXPERIENCE導入前は、同社のワークフローは予測可能性が低く、多くの手作業が必要で、雑然としたものでした。データをExcelスプレッドシートで転送することが少なくありませんでした。Mazzanti氏はこのように締めくくります。「3DEXPERIENCEによって、設計者がコラボレーションを通して迅速に情報を交換できる単一の環境を整えることができました。パートナーとのコラボレーションも大幅に円滑化できています」 

イタリアの現地代理店であるNuovamacutは、Arena社の3DEXPERIENCE、SOLIDWORKS、3D Sculptor、Simulationの導入をサポートし、Arena社が利用するすべてのモデルを設計、測定、試験できるようソフトウェアを導入しました。このコラボレーションは非常に実りがあるものとなりました。Mazzanti氏は、今後とも協力体制を維持したいと考えています。