Arronet社が、SOLIDWORKSとロボットによる自動化を活用して、造船を変革

Arronet Teknik AB社を設立したVon Arronet兄弟は、1992年にスウェーデンのウレグルンドでアルミニウム製ボートの設計と製造を開始しました。共同創立者のNiklas Von Arronet氏は、他社に先駆けて「水上車」(前部と後部にドアがあり、ドアを閉じて暖房を入れれば快適に移動できる船)を開発したと述べています。

同社の理念は、可能な限り社内で開発することで、輸送の削減、効率の向上、より持続可能な製造を実現することです。「私たちは、板金、ロボット溶接、塗装など、あらゆる作業を社内で行っています」と、Niklas Von Arronet氏の兄弟で、共同創立者のHåkan Von Arronet氏は言います。「これにより、すべてを自分たちでコントロールでき、環境に配慮した設計が可能になります」

Arronet兄弟が採用している手法は、海洋産業ではかなりユニークです。板金を使用して、すべてのボートを最初から最後まで社内で開発しています。安定性、堪航性、耐久性を重視しつつ、各モデルのカスタマイズと溶接を社内で行っています。 「私たちは子供のころからボートを作ってきました。そのころの情熱のまま、現在は最高品質の製品をお客様にお届けしています」とNiklas氏は語ります。

社内開発により、自分たちで品質をコントロールできます。また、部品も自分たちで製造しているため、必要なタイミングで必要な部品を入手できます。社内開発というこの手法の大きな利点は、製品を継続的に改善できる点です。Niklas氏は次のように述べています。「Håkanと私は年中、毎日ボートに乗っています。夜でも、雪でも、晴れでもです。このように実際の環境でボートをテストし続けることで、継続的に改善できます」

高品質のボートを、より迅速かつ効率的に製造

Arronet社は、この継続的改善の哲学に基づいて、ボートを設計および製造しています。Eric Von Arronet氏が率いる設計チームは、ダッソー・システムズのSOLIDWORKS®とSOLIDWORKS Flow Simulationを使用して、船体の形状と外層板の最適化に注力することで、最良の乗り心地を実現しました。「船体と外層板について、SOLIDWORKSを使用して無数の組み合わせをテストすることで、快適性、操舵性、燃料効率を改善しました」と、Eric氏は説明します。
 

SOLIDWORKS Flow Simulationソフトウェア導入以前は、設計を変更したら物理的にテストする必要があったため、非常に面倒でした。 現在は、物理的に試行錯誤を繰り返すことなく、デジタル環境内でより迅速かつ正確に設計できるようになりました。Flow Simulation導入以前について、Eric氏は次のように振り返ります。「設計変更のテストを屋外で行う必要がありました。極寒の中ということもしばしばです。(SOLIDWORKSにより)現在は、暖かいオフィス内で設計を変更して、より速く、より良い結果を得られるようになりました」

環境に配慮した設計

同社のチームは現在、オプションの水中翼を搭載した新しいコンセプトを開発しています。Niklas Von Arronet氏は、これを「水上を移動するための新しい方法」だと説明しています。