CRMa社：航空機のメンテナンスにおけるイノベーションの推進

2018年、CRMa Aero Repair社はC.Labを立ち上げることにしました。C.Labは、革新的なアイデアを実用的な製品ソリューションに変換するための専用スペースで、航空機の修理をより安全、迅速、効率的に実施することができます。 CRMa社は、Center of Excellenceとして、メンテナンス、修理、オーバーホール(MRO)を専門としており、航空会社、OEM企業から部品取引業者、独立系MRO請負業者まで、世界中のさまざまな顧客にサービスを提供しています。 Air France Industries KLM Engineering & Maintenanceの中心であるCRMa社は、航空サービスだけでなく、新製品開発のハブにもなっています。 

C.Labは、直感的なユーザー インタフェースと堅牢な製品開発機能を備えているSOLIDWORKS Professionalでチームを標準化しました。C.Labの使命はシンプルです。現場の技術者、従業員、スタートアップ企業、大学、メーカーなどから航空機のメンテナンスを改善するための最良のアイデアを取り入れ、それらを実現可能なソリューションに変えることです。「C.Labを立ち上げる前は、改善案が完全に調査されるまでに8～10か月かかることがありました」と、Innovation ManagerのErwan Guerin氏は説明します。「今では、即時に新しいアイデアの設計、試作、テストを実行することができます。迅速な試作とテスト、機械設計、工具開発、設備開発に対応したデザイン システム[SOLIDWORKS CADなど]が必要だったのは、それが理由です」

SOLIDWORKS Professionalを導入して以来、C.Labは航空機のメンテナンスを改善するための25の主要な技術を提供しており、現在では毎年約250件の設計、試作、テスト研究プロジェクトを完了しています。「SOLIDWORKSの大規模アセンブリ設計とダイナミック モーション機能も重視しています。ロボット工学の応用が増加しているためです」とGuerin氏は述べています。「これらのツールを使用すると、パーツ間に干渉や衝突がないことを確認し、ロボットを含むアセンブリの動作をシミュレートして、ロボットが設計どおりに移動および動作するかを確認できます」

C.Labが提供する航空機のメンテナンス技術の多くは、エンジンのメンテナンスに関係していますが、同社は、航空機のブレーキ ピストンを清掃するロボットベースの機械も開発しています。これは、毎年およそ1,000時間のメンテナンス時間を削減するだけでなく、従業員にとっての潜在的な危険を取り除くものです。

「我々が開発した航空機のブレーキ ピストン清掃技術の最大のメリット(の1つ)は、健康や安全性の向上にあります」とGuerin氏は述べています。航空機のブレーキ ピストンは炭素や油の堆積物で詰まるため、再使用前する前に、研削盤で研磨する必要があります。「ピストンを研磨すると有害な粉塵が発生するため、作業員は何らかの呼吸用保護具を着用する必要があります。また、このプロセスに伴う振動は、このような繰り返し作業を長年にわたり実施するメンテナンス担当者に悪影響を与える可能性があります」

SOLIDWORKSは、航空機のメンテナンスを改善する3つまたは4つの大型装置を年に1度納入することで、C.Labを基本的な製造および試作品制作ユニットから革新的なCenter of Excellenceに変革するサポートをしてきました。「C.Labは、設立時点では、試作を実行するファブ ラボになる予定でした」とGuerin氏は述べています。「しかし、最初の1年間にロボットベースの機械を開発して大きな成功を収めたため、我々は試作品制作から実際の製品、機械、設備の製作に焦点を移しました。」

「現在、機械工学、電気工学、およびロボット工学の設計者がSOLIDWORKSを活用して協力し、航空機のメンテナンスを改善するための最良のアイデアを具体的な技術にまとめています。これにより、顧客のメンテナンスの安全性、清潔さ、効率性の向上、およびコスト削減が実現します」とGuerin氏は締めくくります。