複雑な環境でもワイヤレスの信頼性を保証するInovonics社

設計リビジョンを最小限に抑え、開発スピードを上げ、全社規模のコラボレーションとコミュニケーションを強化したい――ワイヤレス ソリューション プロバイダーのこうした課題は、SOLIDWORKSとCST Studioが解決します。

課題

性能を改善し、過酷な条件や環境でも機能する新しいアンテナを設計する。

解決策

クラウドベースの3DEXPERIENCEプラットフォームで動作する、3DEXPERIENCE Worksポートフォリオのモデリング、設計、データ管理、シミュレーション、コラボレーション、コミュニケーションの各ソリューションを導入する。

結果

  • ファイルのシームレスな管理と保存
  • チーム メンバーとの迅速で手軽なコラボレーション
  • シミュレーションのリモート アクセスとリモート実行
  • 柔軟で動的な作業環境 

無線通信テクノロジーは、日常生活に深く浸透し、ほとんどの人があって当たり前と考えています。携帯電話での通話からシームレスなインターネット接続まで、さまざまな機能を支えるテクノロジーは複雑で、数々のコンポーネント、規格、プロトコルに依存しています。当然ながら、信頼性と効率性に優れたソリューションへのニーズは高まり続けています。

Inovonics社はワイヤレス ソリューションのプロバイダーで、そのモットーは、「It just works (すぐ使える製品)」とシンプルです。この原則は単にキャッチフレーズではなく、開発する製品すべてに当てはまる、卓越したエンジニアリングへのコミットメントです。「世の中にアンテナなしで通信できるものはありません」と、Inovonics社でハードウェア設計と法規制対応に携わるスタッフ エンジニア、Mark Zakhem氏は言います。

ワイヤレス ソリューションのプロバイダー、Inovonics社

アンテナ配置における課題

アンテナを配置するには山積する課題を切り抜けなければなりません。Zakhem氏は、さまざまな環境要因がアンテナの離調を引き起こす可能性があると指摘します。例えば、金属製キャビネットや人の動きのような物理的な障害物からの干渉です(注:離調は最良の周波数からずれることを指し、信号の性能と効率を低下させる)。

環境が性能に及ぼす影響は大きく、特に、厳密な位置精度を必要とする高い周波数では顕著です。「2番目に重要なのは位置の変更です。機器内に限ってのことではなく、機器が周辺環境のどこにあるかという点もたいへん重要です」と、Zakhem氏は強調します。アンテナを配置するときは障害物を避けることが極めて重要です。床上どれくらいの高さの壁面か?天井に取り付け可能か?人の活動が妨げになるか?設置業者は、法規制の順守に直結することとして、近くにいる人間の安全面にも配慮しなければなりません。

「遮断される可能性のある環境にアンテナを配置する場合は……ありとあらゆる材質と環境がアンテナに影響を及ぼします」と、Zakhem氏は説明します。Inovonics社は、こうした問題を解決しようと、さまざまな条件や環境に対応した機能性を保証できる機器を綿密に設計しています。Zakhem氏はこう続けます。「アンテナに影響する要因に応じて設計し、離調シナリオを想定して、どのシナリオでも、この[ある特定の]アンテナは期待どおりに動作すると確認しなくてはなりません」 

アンテナ配置

関連リソース

タブレットに自分の設計を取り出して、会議に持参できます。携帯電話からでも、すでに設定されているクイック シミュレーションを実行できます。シミュレーションの実行に実物のハードウェアは必要ありません……3DEXPERIENCEプラットフォームが大変気に入っています。仕事を片づけるスピードだけでなく、仕事の質も向上するような迅速でスマートな方法で同僚と協力して仕事を進めることができるからです。

Mark Zakhem氏

ハードウェア設計・法規制対応エンジニア

先進ツールを駆使した精密工学

Inovonics社の機械工学チームは、すでにSOLIDWORKS 3D CADソフトウェアを使用して、ピンポイントの精度でハードウェア製品を設計していました。設計工程を合理化し、製品の信頼性を向上させるために、Zakhem氏はInovonics社のチームにダッソー・システムズのCST Studioソフトウェアを紹介しました。CST Studioは、アンテナのような電磁コンポーネントの試験を電磁場の解析によってデジタル化する企業を支援するソフトウェアです。試験をデジタル化すれば、ラボで行う後工程の物理的試験の大部分をなくせます。

Zakhem氏は、Inovonics社に入社したときに、ツールの1つとしてCST Studioを推薦しました。まずインターフェイスが気に入り、習得しやすいツールだと思ったからです。その一方、開発チームが目覚ましい結果を出せる高度な機能を備えているとわかったことも推薦の理由です。Zakhem氏はこう述べています。「当社製品の筐体の内外で、実にさまざまな環境やシナリオをモデル化できるのがCSTです。 ラボで試験する前に、[設計上の問題の]ほとんどを概ね予測できるので、リビジョンの回数が減ります。[CST Studioを使用すると]多くの当社製品で、最初の概念実証アンテナから設計どおりに動作するのをこれまで見てきました。かなりすごい成果です」

この手法は、設計段階を最適化するだけでなく、リビジョン サイクルも大幅に削減し、製品開発のスピードと効率を高めます。

設計段階を最適化する

イノベーションにつながるクラウドベースのコラボレーション

Zakhem氏は、CST Studioに加えて、3DEXPERIENCEプラットフォームとの連携も活用しています。両者の連携で、シームレスなファイル管理とストレージが容易になり、またチーム メンバーとの迅速で手軽なコラボレーションも実現します。3DEXPERIENCEプラットフォームなら、Zakhem氏とチームはシミュレーションにアクセスするのも実行するのもリモートで行えるので、柔軟で動的な作業環境が促進されます。「タブレットに自分の設計を取り出して、会議に持参できます。携帯電話からでも、すでに設定されているクイック シミュレーションを実行できます。シミュレーションの実行に実物のハードウェアは必要ありません」と、Zakhem氏は熱心に語ります。

Zakhem氏は、Inovonics社の今後についてイノベーションを持続できるだろうと楽観視しています。「3DEXPERIENCEプラットフォームが大変気に入っています。仕事を片づけるスピードだけでなく、仕事の質も向上するような迅速でスマートな方法で同僚と協力して仕事を進めることができるからです」

製品:

  • 3DEXPERIENCE Electromagnetics Engineer
  • 3DEXPERIENCE All Physics Analyst
  • SOLIDWORKS Premium 
  • Collaborative Designer for SOLIDWORKS
  • Collaborative Industry Innovator
  • 3DSwymer

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