Vermeer社が重機業界におけるイノベーションを再定義

SOLIDWORKS 3D CADとクラウドベースの3DEXPERIENCEプラットフォームを使用して設計の効率化とビジネスの拡大を実現している工業用および農業用機器の世界的メーカーをご紹介します。

課題

設計、製造、購買、ドキュメント作成プロセスを合理化して統合することで機械開発を加速し、製品ラインナップを拡大してスループットの向上に対応する。

ソリューション

SOLIDWORKS®の拡張ポートフォリオを導入して大規模アセンブリの工業用および農業用機械を製造し、あらゆるレベルの複雑さに対応する。大規模な機械システムを高い公差でシームレスに統合する。

結果

  • 開発ワークフローを自動化
  • 開発および生産スループットが向上
  • エンジニアリング変更プロセスを短縮して定型化
  • SOLIDWORKS内のすべての部品を管理

大規模アセンブリの工業用および農業用機械の開発、設計、製造では、複雑さへの対応があらゆる面で求められます。産業機器のエンジニアは、大規模な機械システム(鋼製フレームと駆動系)、高精度が要求される油圧システム、高度な電子機器、複雑なソフトウェア制御を1台の機械にシームレスに統合する必要があります。これにより各サブシステムがスムーズに連動し、非常に高い出力と正確な制御が可能になります。さらに、センサーから構造的な溶接に至るまで、すべてのシステムと構成部品は、絶え間ない振動や衝撃荷重、極度の熱、蔓延する粉塵や泥など、現場での過酷な環境に耐えられるように構築する必要があります。これらの課題を克服するには、体系化されたエンジニアリング、高度な設計ツール、そして継続的な改善の文化が必要になります。そのような精密さと革新への取り組みが、当初からVermeer Corporationの中核を成しています。

水平掘削機の機械オペレータ
水平掘削機の機械オペレータ

Vermeer社はある1つの基本理念に基づいてその評判を築き上げました。それは、「もっとスマートな方法があるはずだ」というものです。農業に革命をもたらした円形ヘイベーラーから地下ファイバーの敷設を可能にする水平方向掘削機までを扱うこの機器メーカーは、アイオワ州に拠点を構え、現実世界の問題を解決するための機械を一貫して開発してきました。同社の最初の機械であるトウモロコシの荷下ろしを高速かつ容易にした機械式ワゴン昇降機から、現在生産中の100を超えるモデルまで、中南米、ヨーロッパ、中東、アフリカ、アジア、オーストラリアにまたがる世界的な事業展開を拡大させているVermeer社は今、数千の構成部品を搭載した複雑な機械を効率的に設計し、増大し続ける規制による負担を管理し、信頼性の高い革新的な機器ソリューションを世界中のお客様に提供するという課題に直面しています。

Vermeer社が扱う部品はすべてSOLIDWORKSで設計
Vermeer社が扱う部品はすべてSOLIDWORKSで設計

関連リソース

当社の中型ドリルはSOLIDWORKSを活用して設計しています。この機械は、油圧系統と電気系統の[構成部品]を数多く備えた非常に複雑な機械で、世界中の電話回線、送電線、光ファイバー用の設備ケーブルを敷設するために使用されています。

Greg Johnson氏

システム アナリスト マネージャー

これらのニーズに応えるため、Vermeer社はダッソー・システムズのSOLIDWORKS® 3D CADソフトウェアと3DEXPERIENCE®プラットフォームを大いに活用しています。これにより、コラボレーションの向上、設計サイクルの短縮、データの管理、品質の維持を実現しながら、事業の拡大にも対応できています。

性能を最適化するエンジニアリング

Vermeer社の製品ポートフォリオには、水平方向掘削機などの非常に複雑な機器が含まれています。これらの機器は、油圧、電子、制御システムを組み合わせたもので、その部品は優に1万を超えるものもあります。

Vermeer社の生産ライン

「SOLIDWORKSを活用して中型の掘削機を設計しています。これは非常に複雑な機械で、多くの油圧系統と電気系統の[構成部品]を備え、世界中の電話回線、送電線、光ファイバー用の設備ケーブルを敷設するために使用されています」とVermeer社のシステム アナリスト マネージャーであるGreg Johnson氏は説明します。

この非常に革新的な中型掘削機に搭載されている高度な機能により、オペレータは掘削中に的確な判断で水道管や下水管を避けることができます。Vermeer社はSOLIDWORKSを活用して、機械に使用される主要な鋼材構成部品から最も微細で複雑な部品まで、あらゆるものを設計しています。事実、SOLIDWORKSはVermeer社唯一のプラットフォームで、すべての機械CAD設計が行われています。

「SOLIDWORKSを使用する利点の1つに、さまざまな[機械]のモデルで構成部品を再利用可能なことが挙げられます」とJohnson氏は続けます。「構成部品の多くを掘削[機械]間で再利用できるのです。その理由は、SOLIDWORKSではパラメトリック モデリングが使用されることにあります。エンジニアは基本形状を更新するだけで、既存の設計のサイズを別の機械向けに変更できるのです。SOLIDWORKSで構成部品が更新されると、変更はその部品が使用されるすべてのアセンブリに自動的に反映されるため、時間の大幅な節約と設計エラーのリスクの低減が可能です」 

Vermeer社製の機械

3DEXPERIENCEを使用したデータ統合とコラボレーション

Vermeer社が成長を遂げたことで製品データと設計の複雑さが増大し、従来のツールでは効率的に処理できなくなりました。Vermeer社の製品ライフサイクル管理担当ディレクターであるHarold Sullivan氏は、断片化されたシステムがどれほど非効率性を助長していたかを説明します。「私たちは53の異なるツールを使用して1つのプロジェクトを管理していました。1つのアクティビティに関連する情報の保存場所は20か所、サブプロセスは25もありました」

ダッソー・システムの3DEXPERIENCEプラットフォームは、プロセスを統合し、設計データと製造データを一元的に管理するために採用されました。Vermeer社は、クラウドベースのシステムに移行することで、長いソフトウェア アップグレードによる中断もなく、拡張性と定期的なアップデートを手にしました。「[SOLIDWORKSを手動でアップグレード]するのに約8か月かかりました。このアップグレードの完了には何百時間分もの人手が必要でした」とSullivan氏は振り返ります。「同じ期間に、3DEXPERIENCEクラウド プラットフォームが3回(自動的に)更新されましたが、私たちがしなければならない作業はほとんどありませんでした」

効率性以外に、3DEXPERIENCEは組織の規律のためのフレームワークを提供しました。エンジニアは、定義された製品変更管理、部品分類システム、コンフィギュレーション管理ルールに基づいて作業するようになりました。部品を重複して作成することもありません。ファンのサイズ、ブレード数、ハブ方向などの属性を検索して、必要なものをすばやく見つけることができます。その結果、余分な部品が減り、在庫コストが削減され、製品ライン全体で一貫した設計が可能になりました。

Vermeer社は3DEXPERIENCEの製品ライフサイクル管理を実装することで、グローバルなコラボレーションと標準化されたデータ管理の基盤を確立し、長期的な拡張性を実現しました。そして設計プロセスの中心にあるのがSOLIDWORKSです。

水平方向掘削機が稼動している様子

数多くの課題に対応する設計

大型機器のオペレータは多くの場合、高リスクの環境で長時間作業をします。疲労を軽減したり視認性を向上させたりするようなデザイン調整は、命を救うことにもつながります。そのため、最新の運転室は防塵、防音対策のために加圧され、空調も管理されています。また、人間工学に基づいた座席、見渡しの良い視界、少ない労力での制御が備わっているため、オペレータの疲労が軽減され、長時間のシフトでも作業員の注意力が散漫になることを防ぎます。物流上の制約から、多くの大型機械はモジュール設計方式で製造されており、法的に道路での輸送が許可されるパーツに分解し、現場ですぐに組み立てられるようになっています。

Vermeer社のシニア マシン ツール エンジニアであるScott Riddle氏は、彼のチームは構造解析や複数構成のモデリングなどのSOLIDWORKSの主要機能を活用して設計を最適化していると述べています。「私たちは、セミトレーラーとタイヤの重量配分を考慮しながら、一定の最大重量を維持する必要があります」と同氏は説明します。大型機械の場合、輸送制限の遵守は絶対に守らなければなりません。SOLIDWORKSを使用することで、チームは設計段階で機械の重心を正確に調整してそうした制約を満たすことができます。

百万ドル規模のミスを回避するために、Vermeer社のような企業は大型機械の設計に高度なシミュレーションとデジタル ツイン技術を活用しています。物理的な試作機を製作するかなり前の段階で、エンジニアは、応力、荷重、使用シナリオのシミュレーションに使用する機器の仮想モデルを作成します。デジタル フェーズの早期段階で設計上の欠陥を発見できれば、膨大なコストを削減できます。シミュレーションのコンセプト/設計段階で見つかった問題は、製造後に発見されるよりもはるかに安価に修正できるのです。

Vermeer製の大型機器

成長を効果的に管理する

Vermeer社はSOLIDWORKSとそのサポート プラットフォームを統合することで、大きな成果を得ることができました。パラメトリック モデリングと、複数のプロジェクトで構成部品を再利用できることで、設計サイクルが短縮されました。自動化されたワークフローにより設計レビューと設計変更管理が促進され、エラーの削減と時間の節約につながっています。

エンジニアリング、製造、テクニカル ライティングの各チーム間のコミュニケーションが改善され、製品ライフサイクル全体での整合性が確保されました。さらに、製品データ、プロセス、ライフサイクル管理を3DEXPERIENCEで管理するための組織としての規律を強化し、効率と信頼性の高い開発環境を構築しました。

「クラウド上で機能するプラットフォームを求めていました。そこでさまざまなビジネス ユニットを統合し、それらのプロセスをグローバルに再現したいと考えていました。3DEXPERIENCEプラットフォームは、私たちが会社として成長し、効率性を維持するために必要な機能を提供してくれました」とJohnson氏は述べています。

Vermeer社の場合、SOLIDWORKSと3DEXPERIENCEプラットフォームは単なる製品開発ツールではなく、より広範なデジタル変革を支える屋台骨です。エンジニアは現実世界の問題解決に集中することができ、会社の成長目標に合わせて拡張することも可能です。

製品の品質と信頼性担当副社長のMark Cooper氏は、Vermeer社が規模を拡大する中、チームはSOLIDWORKSによって設計とパフォーマンスの需要の高まりに対応しながら作業効率を向上させることができたと強調しています。同氏はこう締めくくります。「設立当初のVermeer社は現在よりもずっと小さな会社でした。SOLIDWORKSは私たちと共に成長し、お客様と社内チームのニーズに応えるツールを提供してきました。それが、当社が次のステップに進むことができた主な理由の1つです」

製品:

  • SOLIDWORKS Premium CAD
  • SOLIDWORKS Simulation Premium
  • SOLIDWORKS PDM
  • SOLIDWORKS Composer
  • 3DEXPERIENCEプラットフォーム

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