Challenge

電子設計と機械設計を合理化し、コラボレーションを改善して、実験航空機や軍用機などの航空機用LED照明システムの開発の拡大に対応する。

Solution

SOLIDWORKS Premium、SOLIDWORKS PCB、SOLIDWORKS Simulation Professional、SOLIDWORKS Flow Simulationソリューションを含むSOLIDWORKS電子設計エコシステムを導入。

Results

  • 開発サイクルを50%短縮
  • 開発コストを削減
  • 廃棄および手戻りを50%削減
  • 開発スループットを向上

AeroLEDsは、航空業界向けに着陸灯および航法灯の照明システムを設計・製造しています。同社の製品はこの10年間で実験航空機、特殊航空機、軍用機に設置されるようになりました。AeroLEDsは、従来の照明システムの性能をはるかにしのぐ革新的なLEDベースの照明製品を発表してきました。同社の製品は、メンテナンス不要で、80%の省エネを実現し、耐用年数が長く、軽量化と空力抵抗低減にも成功しています。また、取り付け方法を変更せずに従来の照明システムを直接交換することが可能です。

PULSARという製品シリーズを発売した2006年以来、AeroLEDsは急成長を遂げています。PULSARシリーズは、世界初の完全LEDベースの航空灯/ストロボ灯製品で、アメリカ連邦航空局の技術基準書(TSO)のうち、位置灯および衝突防止灯システムを対象とするC30CおよびC96a-C2に適合する製品です。社長兼CEOのNate Calvin氏によると、AeroLEDsでは、プリント基板(PCB)やプリント基板アセンブリ(PCA)の電気設計プロセスが分断化されており、統合されていませんでした。機械設計プロセスも同様です。そのため、こうした枠組みを壊して、急成長に対応し、設計サイクル全体を短縮する必要がありました。

「2016年以前、当社では、照明筐体とLEDパッケージの開発にはSOLIDWORKS®を使用し、回路図とPCBの設計には別の電気設計パッケージを使っていました」と、Calvin氏は振り返ります。「最終的な設計に至るまで、PCBレイアウト ソフトウェアとSOLIDWORKSの間でエクスポートとインポートを繰り返さなくてはなりませんでした。このプロセスでもうまくいっていましたが、膨大な労力が必要でした。さらに、電気部品のモデルをプリント基板アセンブリに加えるまで非常に時間がかかるため、プリント基板アセンブリのすべての電気部品を100%正確に反映することができませんでした。結果として設計サイクルが長引き、追加の試作品を作って0.01インチ以下の干渉の問題を解決しなければならないことがよくありました」

Calvin氏はこう続けます。「一部の基板アセンブリは高密度に詰め込まれ、電子部品のパッドが問題になることもありました。私は1995年からSOLIDWORKSを使っているので、Altium®が搭載されたSOLIDWORKS PCBの存在を知ったとき、時間短縮につながるのではとすぐに興味がわきました。完全に統合された機械/電気設計スイートという夢がやっと実現するかもしれないと思ったのです」

AeroLEDsは、SOLIDWORKS Premium、SOLIDWORKS PCB、SOLIDWORKS Simulation Professional、SOLIDWORKS Flow Simulation数値流体力学(CFD)ソリューションを含む統合型のSOLIDWORKS電子設計エコシステムを導入する決断をしました。「当社は、SOLIDWORKS機械パッケージを知っていますし、機械設計とPCB設計の統合を高く評価していましたので、SOLIDWORKSソリューションを選択しました。さらに、統合型のSOLIDWORKSソリューションによって時間とコストを節約できると考えました」と、Calvin氏は説明します。

「それまでは、PCBアセンブリのインポートに15分から30分かけてでき上がるのは30%程度の構成部品が実装された『ラフ モデル』でした。SOLIDWORKSとSOLIDWORKS PCBの導入によって、5分ですべての構成部品を100%正確にインポートできるようになりました。これは大きな変革です。この移行で開発サイクルが加速しました。常に『一回で正しく作る』を進めることができるので、品質が向上し、コラボレーションが強化されました。」

Nate Calvin氏
社長兼CEO

「最初から適切な設計」を実現

統合型のSOLIDWORKS電子設計エコシステムを導入したAeroLEDsでは、開発サイクルが半分に短縮されました。「それまでは、プリント基板アセンブリのインポートに15分から30分かけてでき上がるのは30%の構成部品からなる『ラフ モデル』でした。SOLIDWORKSとSOLIDWORKS PCBの導入によって、5分ですべての構成部品を100%正確にインポートできるようになりました。これは大きな変革です」と、Calvin氏は述べます。

「この移行で開発サイクルが加速しました。常に『一回で正しく作る』で進めることができるので、品質が向上し、コラボレーションが強化されました」と、Calvin氏は続けます。「たとえば、電気エンジニアから基板アセンブリモデルを受け取ってSOLIDWORKSに取り込み、干渉の問題をすべて洗い出します。そして、エンジニアに戻すときに10箇所ほどの修正を提案します。エンジニアは10箇所のうち8箇所の修正に対応し、残り2箇所の修正については私と相談します。私が何かを動かしてしまったら、エンジニアは『構成部品を動かすと、レイアウト ルールが壊れますよ。でも、機械側で干渉の問題を解決できるから、こちらで修正しておきます』と言うでしょう。SOLIDWORKSとSOLIDWORKS PCBを導入して以来、クリアランスの問題を解決するために何回も基板を作ったり、機械部品を修正したりする必要がなくなりました。一回で正しく作ることができるようになりました。」

費用削減と時間短縮を達成

AeroLEDsでは、設計の問題を解決する手段として試作品を作る必要がなくなり、コスト削減につながっています。Calvin氏によれば、1枚の基板の試作に1,000ドルほどかかっていました。また、廃棄と手戻りに伴うコストも全体で50%減少しました。Calvin氏はこう説明します。「同じSOLIDWORKSプラットフォームを使用し、データ変換の必要性を排除した結果、波及効果として開発コストを抑えることができました。SOLIDWORKSでクリアランスを点検できますし、機構、構造、通気、熱伝導を解析して製造前に性能を検証することもできます」

「もう1つの波及効果は、電子部品と機械部品の全リストを自動生成できることです。以前は、別々にBOMを作成しなくてはなりませんでした」と、Calvin氏は付け加えます。「統合されたSOLIDWORKS設計環境のおかげで、設計書の信頼性が向上しました。設計の見える化も進み、製造部門とスムーズにやりとりできるようになっています」

製品開発のスループットが向上

AeroLEDsでは、SOLIDWORKSをインストールした環境にSOLIDWORKS PCBを追加した結果、生産性が向上しています。そのため、製品の種類を増やし、コスト効率の高い方法で成長を促進できるようになりました。「SOLIDWORKS PCBを導入してから、業務を進めるスピードが劇的に加速されました」と、Calvin氏は強調します。

「12か月間で、平均2週間おきに新しい製品設計を生み出してリリースしています」と、Calvin氏は述べます。「設計を最大限再利用して、開発スピードを上げ、高い品質も実現しています。統合型のSOLIDWORKS電子設計エコシステムを活用すれば、見たとおりの内容が結果に反映されるので便利です」