Challenge

現状の限界を超えた、人力で動く乗り物を考案、設計して作成します。

Solution

SOLIDWORKS Premium設計/分析とSOLIDWORKS Flow Simulation数値流体力学(CFD)分析ソフトウェアを導入します。

Results

  • 人力で動く自転車の速度記録を破る
  • 人力で動く自転車、ヘリコプター、オーニソプターを設計、作成、テスト
  • 人力で動く自転車の速度記録をさらに4件打ち立てる
  • 計算結果と習得した知識を組み合わせ空力を改善する

共同創業者のTodd Reichert氏とCameron Robertson氏は、不可能と思われたこと(人力で飛び、100mph近いスピードを出す)を可能にするという目標の下、Aeroveloを設立しました。Aeroveloは、Reichert氏の運動理論と空力設計に向ける情熱とRobertson氏の構造と材料に向ける情熱を組み合わせ、科学、技術、環境に配慮した設計に、一般の人々の関心を集めることに専念しています。同社は、何か信じられないことをやってみたいという願望を持った、多様で熱心な個人のグループを引きつける、人力で動く一連の乗り物プロジェクトに取り組んでいます。設計チームの中心は、主にトロント大学(Reichert氏とRobertson氏の母校)のエンジニアリングの学生と若年の専門家で占められていますが、このプロジェクトが可能になったのは、ボランティア、友だち、家族のコミュニティの拡張したネットワークがあったおかげです。

Aeroveloは、社の仕事の中心を示す、人力で動く自転車、ヘリコプター、オーニソプター(翼を羽ばたかせることで飛ぶ飛行機)を発明、設計、作成するため、3D設計ツールとエンジニアリング ツールも必要としていました。構造担当副社長のRobertson氏によると、Aeroveloはこうした乗り物を作成するだけでなく、これらで記録を作るためにも、3D CADと数値流体力学(CFD)解析ソフトウェアを必要としていました。

「人力で動く自転車などの乗り物を3D CADを利用せずに効率的に設計するのは不可能でしょう」とRobertson氏は説明しています。「当社に課せられている時間や予算の制限は、計算ツールがもたらす速度、パワー、自動化機能がなければ現実的ではありません。当社はさらにトロント大学の学生と緊密に連携し、作業についてのコミュニケーションと管理のための共通の開発プラットフォームを必要としています。」

創業者がSOLIDWORKS®ソフトウェアを使用し、SOLIDWORKSはトロント大学で教えられているCADソフトウェアであることから、SOLIDWORKS Premium設計/解析とSOLIDWORKS Flow Simulation CFD解析ソフトウェアを組み合わせるのが最適な選択でした。

「私はSOLIDWORKSが使いやすいことを知っていますし、当社と共同で作業する学生たちもそれを承知しています」とRobertson氏は述べています。「当社はSOLIDWORKS Flow Simulationソフトウェアがモデリング プラットフォーム内で統合しているという事実にも好感を持っています。」

 

高速な設計、設計変更はさらに高速

Aeroveloは最初に、人力オーニソプターSnowbirdを開発しました。これは2010年に高度と対気速度を19.3秒間維持し、世界で最初に飛行に成功した人力オーニソプターとなりました。次に開発したのは人力ヘリコプターAtlasです。これは飛行時間64秒という新記録によって、2013年にAHS Igor I.Sikorsky Challengeと賞金25万ドルを獲得しました。Aeroveloは次の難しいプロジェクト(新記録樹立を目指すEta Speedbikeの開発)にもSOLIDWORKSツールを利用しました。

「SOLIDWORKSを利用すれば乗り物をすばやく設計し、必要な設計の変更をさらに早く実行できます」とRobertson氏は説明しています。「たとえば、当社はディレーラーとシフターの変更・再配置にSOLIDWORKSを使用します。つまりSOLIDWORKSツールで最適な場所を決定します。当社はゼブラ ストライプ、サーフェス曲率インジケータ、SOLIDWORKS CFDパフォーマンス解析などのツールを使用して、複合運転設計を最適な状態に近づけることができました。続いてこの設計どおりに作り、手作業で仕上げました。」

SOLIDWORKS計算ツールを利用することで90mph近くまで到達でき、微調整すれば少なくとも92mphには達するはずです。100mphの壁を破ることも可能ですが、これは大きな挑戦であり、達成までには長い道のりが必要になるでしょう。また、高い能力を持つライダーや、ライダーから熱エネルギーを回収するなんらかの形式、空気抵抗を減らすためにその表面の気流に対応するアクティブ/インテリジェントなフェアリング構成部品が必要になります。

Cameron Robertson氏
構造担当副社長

その取り組みの一部として、この15年間バトル マウンテンのWorld Human-Powered Speed Challengeを独占してきた、人力自転車の以前の速度記録を超える技術を進めるため、AeroveloはSOLIDWORKS Flow Simulation CFD解析ソフトウェアを活用してその自転車を新しいレベルに引き上げることを決定しました。「当社はSOLIDWORKS Flow Simulationを利用して重要な成果を獲得し、運動空力に関して大きな飛躍を遂げる鍵となる技術革新を開発しました」とRobertson氏は強調します。

「他のチームがCFD解析を使用しても、当社はCFDの結果と実際の経験を組み合わせることを決定しました。そしてこれをガイドとして使用しました」とRobertson氏は指摘します。「当社はSOLIDWORKS Flow Simulation圧力プロファイルを使用して空力戦略を追及しました。層流は乱流よりもパフォーマンスの面で明らかに優れているので、当社は層流をできるだけ活用したいと思っています。ただし、自然な層流を大量に発生させるフェアリング形状を作成するには、非常にデリケートで巧妙な設計作業が必要になります。この作業はSOLIDWORKS Flow Simulationソフトウェアがサポートします」

 

100Mphで走る自転車の探求

AeroveloはEta Speedbikeの性能を高めるためSOLIDWORKS設計ツールとCFD解析ツールを利用して、2015年の人力記録時速133.78km(83.13mph)を破りました。これ以来、Aeroveloは自転車の設計を調整・改善し続け、自身の記録を4回更新し、2016年にはついに驚異の時速144.17km(89.59mph)での走行を記録しました。

「SOLIDWORKS計算ツールを利用することで90mph近くまで到達でき、微調整すれば少なくとも92mphには達するはずです」とRobertson氏は述べています。「100mphの壁を破ることも可能ですが、これは大きな挑戦であり、達成までには長い道のりが必要になるでしょう。また、高い能力を持つライダーや、ライダーから熱エネルギーを回収するなんらかの形式、空気抵抗を減らすためにその表面の気流に対応するアクティブ/インテリジェントなフェアリング構成部品が必要になります。」