Challenge
複雑な射出成形開発を合理化して、製造可能性を改良、開発期間の短縮、コスト削減を実現する。
Solution
SOLIDWORKS Plastics Professional射出成形金型充填シミュレーションを導入する。
Results
- 金型開発期間を半分に短縮
- 金型の初回成形成功率95%を達成
- 1年間に成形する部品数を数千から1,000万に増加
- シミュレーションと実成形品の間に緻密な相関関係を実現
複雑な射出成形開発を合理化して、製造可能性を改良、開発期間の短縮、コスト削減を実現する。
SOLIDWORKS Plastics Professional射出成形金型充填シミュレーションを導入する。
Ambix Consulting, LLCは、長年にわたりプラスチック工学、材料科学、工業デザインの分野で、開始から終了まで一貫して対応するソリューションをさまざまな顧客に提供しているフル サービスの製品開発企業です。精密な射出成形や要件の厳しいエンジニアリング プラスチックを得意とし、加工関連企業のAmbix Manufacturing, Inc.と密接に連携しながら受託製造を行っています。
創業者でオーナー兼社長でもあるJeffrey D. Nicoll氏は、自身のプラスチック不良解析に関する幅広い専門知識を活かして、2002年にAmbix Consultingを設立しました。その後、プラスチック不良解析以外の分野にも業務を拡大し、製品の研究開発、工業デザイン、試作品製作や機能テスト、故障解析、ツーリングの設計、素材の選択、Ambix Manufacturingを通じた委託製造など、フルサービスの製品開発企業として大きく成長しています。
Ambixでは、製品設計とエンジニアリング サービスをサポートするため、2006年にSOLIDWORKS® ProfessionalとSOLIDWORKS Simulationを導入しました。プラスチックと金型の製作にますます高い専門知識が求められるようになったため、Nicoll氏は複雑な金型開発を迅速化する目的で、射出成形金型充填シミュレーション ソリューションに投資することを決断しました。
「従来の射出成形のアプローチでは、基準を満たす金型が実現するまで、試作品の金型と射出サンプルの作成を繰り返していました」とNicoll氏は説明します。「この種のプロジェクトで遅延を防ぎ、もっとも効率的かつコスト効果に優れたソリューションを顧客に提供するために、射出成形シミュレーションを活用して製造の問題を事前に解決し、金型開発プロセスにかかる時間とコストの両方を削減したいと考えていました」
Ambixはいくつかの金型充填解析ソリューションを検討し、使いやすいこと、高性能な射出成形金型充填シミュレーション機能を備えていること、SOLIDWORKSに完全に統合されることを理由に、SOLIDWORKS Plastics Professionalを選択しました。「既存のSOLIDWORKS設計環境に金型充填シミュレーション ソリューションを完全に統合できるのは、非常に便利です」とNicoll氏。「統合ソリューションを使用すると、インポートとエクスポートの問題を回避できるだけでなく、作業効率と生産性も向上します」
「設計のモデリングだけでなく、SOLIDWORKS Simulationの実行やPhotoView 360を使ったレンダリングの作成など、かなりの作業でSOLIDWORKSを使用しています」と、Nicollは付け加えています。「SOLIDWORKS Plastics Professionalは、いつの間にか当社の業務の一部になっています」
Ambixでは、SOLIDWORKS Plastics Professionalを導入してから、金型開発にかかる時間が半減していると同時に、射出成形の製造スループットが年間で部品数千個から構成部品1,000万個以上に増加しています。Nicoll氏は、同社の成功を支えているのは、従業員たちの献身はもちろんのこと、Ambixの製品開発アプローチに沿った金型設計と解析の統合環境で作業していることだと考えています。
「私は、設計の意図を損なうことなく適正な金型を作ることにこだわりを持っています」とNicoll氏。「当社のビジネス モデルは、製品の美しさを高めるインダストリアルデザインのクリエイティビティ、重量や構造上の性能の問題を解決するエンジニアリング機能、コストのかかるツーリングの変更や遅延を生じさせずに製品金型を開発するためのツーリングの専門知識など、製品の開発や製造に必要なすべてのサービスをワンストップで提供することです」
「個々の作業を別々に実施すると、それぞれで作業を繰り返し、物理的に試行錯誤して付随コストが発生することになります。当社はそうではなく、金型の設計から、金型充填パフォーマンスのシミュレーション、潜在的な製造可能性と性能の問題の特定、ツーリングを開始する前の必要な修正の実施まで、SOLIDWORKSのソリューションを使用してすべてまとめて行うことができます」と、Nicoll氏は続けます。「このアプローチにより、効率性が高まり、より高品質な金型をより迅速に提供できるようになりました」
当社の成功率が非常に高いのは、光弾性解析や顕微解析ツールを使ってシミュレーション結果を確認し、SOLIDWORKS Plastics Professionalの結果と実成形品との相関関係を緻密に検証したからです。
Ambixは、SOLIDWORKS Plastics Professionalを導入したことで成形の初回成功率95%を達成しました。「抜き勾配の不足、収縮の考慮不足、エア トラップの見逃し、重要な部分でのニット ラインの形成、不適切なゲート位置による応力の発生といったミスが後から発覚するのではなく、SOLIDWORKS Plastics Professionalを使ってこのようなタイプの問題を金型切削前に解決できるのです」と、Nicoll氏。
「当社の成功率が非常に高いのは、光弾性解析や顕微解析ツールを使ってソフトウェアのシミュレーション結果を確認し、SOLIDWORKS Plastics Professionalの結果と実成形品との相関関係を緻密に検証したからです」
SOLIDWORKS PlasticsはSOLIDWORKS 環境で動作するため、Ambixでは、高度な設計視覚化ツールを活用して顧客とのコラボレーションやコミュニケーションを以前よりも効果的に進め、設計の美しさを維持、もしくは強化しながら、製造性の問題を解決できるようになりました。
「部品や製品のコスト効率を高めることは可能か、製造に向けてどのような設計変更が必要か、最終製品はどのようなになるかを知りたがっているデザイン考案者や設計者とは、腰を据えて話し合います」と、Nicoll氏。「統合型のSOLIDWORKSの設計環境を使用することで、お客様に部品や金型の設計を見せるだけでなく、変更が必要な理由を実演したり、材料の選定や設計変更をお勧めする根拠をシミュレーションで視覚的に説明できます。PhotoView 360というレンダリング ツールを使って、最終的な部品を写真のようなリアルさをもって表現することも可能です。SOLIDWORKSの各種ツールによって産業デザイン、機械エンジニアリング、金型製造が一体となり、お客様によりよいサービスを提供できるようになりました」