Challenge

ますます複雑化する射出成形製品の開発と製造にともなうサイクル タイム、外部コンサルタントへの依存、試作品の製作コストを削減する。

Solution

SOLIDWORKS Premium、SOLIDWORKS Plastics射出成形シミュレーション・解析、SOLIDWORKS PDM Professional製品データ管理の各ソリューションを導入する。

Results

  • 推定で年間12~15週分の時間を節減
  • 推定で年間2万ドルのコンサルティング コストを削減
  • サイクル タイムの短縮によって追加コストを削減
  • 開発ワークフローをPDMで向上

Carlisle FoodService Productsはフードサービス、衛生・ヘルスケア用品および機器の大手メーカーです。Dinex®ヘルスケア フードサービス、DuraLast™テーブル カバーリング、Sparta®歯ブラシなど、受賞歴を誇るブランドを抱える同社は、毎日の生活で使う人のことを考えながら、プロフェッショナル クラスの製品の設計と製造に取り組んでいます。Carlisleの製品は、真の価値を提供し、円滑に稼動して利益を創出する事業運営を促進しています。

Carlisleの製品の多くはプラスチック射出成形技術によって製造されています。同社は2010年まで、製品やその基になる金型の設計にPro/ENGINEER® を使用していました。しかし競争の激化を受け、生産性とスループットの向上、開発および製造サイクルの短縮を余儀なくされた経営陣は、もっと使いやすく低価格で柔軟性に優れた3次元設計ソフトウェアの調査を決断したと、研究開発エンジニアのBrad Tilman氏は言います。

「Pro/ENGINEERからSOLIDWORKS® への乗り換えを決断したのには、いくつかの理由がありました」とTilman氏は説明します。「使いやすさはコストと同様に重要な要件でした。SOLIDWORKSが統合型の設計およびエンジニアリング ソリューションを幅広く提供していて、必要に応じて追加できることにも好感を持ちました。当社は2013年にSOLIDWORKS PlasticsとSOLIDWORKS PDM Professionalを追加し、製品設計の製造可能性の向上、試作品に必要な金型数の削減、開発のプロセスとワークフローの合理化を実現しました」

Carlisleは、使いやすいこと、重要な金型の開発ツールと解析ツールが提供されること、フォトリアリスティックなレンダリングとSOLIDWORKS eDrawings®コミュニケーション ツールが含まれることを理由に、SOLIDWORKS Premiumを標準として採用しました。3年後には、SOLIDWORKS PlasticsとSOLIDWORKS PDMを追加し、生産性をさらに向上させました。

「SOLIDWORKSのソフトウェアは、当社が設計、製造する製品タイプに最適です」とTilman氏は強調します。「たとえば、設計する部品ごとに抜き勾配解析を実行すると、金型を開発する前に十分な製造可能性を持つ抜き勾配を確保できます」

 

射出成形シミュレーションを社内で実行

Carlisleは、SOLIDWORKS Plastics射出成形シミュレーション・解析ソフトウェアを追加してこの機能を社内で実行できるようにし、外部の射出成形コンサルタントへの依存を低下させて、開発と製造を効率化しました。「当社の設計はますます複雑化していて、金型解析のすべての側面を社内で処理する必要があるのです」とTilman氏。「たとえば、私が設計した食洗器に使用するカップの蓋ホルダーは、肋骨のような形状で、フロー パターンがややこしく、金型に2つのドロップ ゲートがあり、かなり複雑でした」

Tilman氏は次のように続けます。「SOLIDWORKS Plasticsのおかげで、金型充填シミュレーションを何度か実行して、部品が製造可能かどうか、溶接線がどこになるかを検証できました。金型の冷却チャネルのシミュレーションも実行して、部品の冷却まで把握することができました。成形機の上限圧力をかけなくても材料が金型に注入され充填されることの確認と、パーティング ラインの位置のチェックは、何をする場合でも不可欠な作業です」

SOLIDWORKSのソフトウェアは、当社が設計、製造する製品タイプに最適です。

Brad Tilman氏
研究開発エンジニア

Carlisleは、SOLIDWORKS Plasticsを導入し、射出成形シミュレーション・解析を社内で実施できるようになってから、コスト削減の可能性をすでに現実のものにしています。フロー調査の外部委託を完全になくすことで、2016年の経費削減額が2万ドル以上に及ぶと予測しています。解析の完了に長いリード タイムをとる必要がなくなったことが12~15週分の時間短縮に相当し、このソフトウェアが同社の多くの製品の製造サイクル タイムを短縮するというメリットももたらしているのです。

「大量生産する場合、サイクル タイムの短縮は非常に重要です」とTilman氏は指摘します。「この機能を使って、ファン ゲート、ダブル ファン ゲート、エッジ ゲートなどを使用した場合のそれぞれの効果など、ゲート方式を効率よく調査できます。これはコスト削減のイニシアチブと年次目標の達成に役立ちます。SOLIDWORKS Plasticsを使用することで、製品の金型がどのように充填されるかを予測し、その結果に基づいてサイクル タイムが短縮されるように修正して検証することができます」

 

EPDMでワークフローを効率化

Carlisleは、SOLIDWORKS PDM Professionalを追加して、リビジョン管理を強化しながら開発ワークフローを効率化しています。「PDMはすばらしい。何もかも格納できるボルトを提供するだけでなく、他のユーザーに作業データを破損されるのを防いでくれます」とTilman氏。「私たちのワークフローには、設計と検証データに加えて、プロジェクト追跡、セールス用の見積書、見積の算出方法のプロセスが含まれます」

「SOLIDWORKS PDM Professionalを導入したことで、プロセスの再エンジニアリングを試みなくても、プロセスを合理化できるシステムが構築されました」とTilman氏は付け加えます。「PDMのリビジョン管理と電子メールの自動通知機能を利用することで、プロセスの迅速化と管理性の向上が実現し、製品の開発と製造の目標の改善にも役立っています」