開発から認証までの短期化
Dabadie氏とエンジニアのPierre Jayet氏は、大きな課題があったにもかかわらず、SOLIDWORKS Professionalを使用して、LM-Sの設計、100万以上のオプションの組み合わせの策定、さらにはバイク関連の認証をEUから取得するまでを、1年以内に終わらせることができました。「LM-Sの場合は、まだ誰も見たことがない物を作るということで、生産と認証のプロセスにハードルがあります」とDabadie氏は説明します。
「製造に関する当社の指針は、少し風変わりなものです」Dabadie氏は続けます。「同じモデルを大量生産するのではなく、ある中心的テーマの変化形を少数ずつ手作りしたいのです。SOLIDWORKSの設計ツールとビジュアリゼーション ツールがなかったら、バイクの設計、試作、組み立て、テスト、認証取得を1年間でやり切ることは不可能だったと思います。SOLIDWORKSのおかげで、EU認証の要件を満たすのに必要な品質と性能を維持したまま、反復設計をより速く、より簡単に行えるようになりました」
3Dプリントとプロトタイピングの活用
Dab Motorsは、従来の試作品製作方式をとる代わりに、Ultimaker® 3Dプリンタを使用して試作品の製作とテストをすばやく行い、LM-Sの開発に関わる時間とコストをさらに削減しました。「SOLIDWORKSでパーツを設計した後、ほぼ同時に試作品を作ることができたため、試作コストを削減し、開発期間を劇的に短縮できました」とDabadie氏は説明します。「当社は特殊なバイクの注文も受けていますが、3Dプリンタがあるおかげで、お客様ごとに特殊なパーツを作ることができます。SOLIDWORKSでパーツと金型を設計し、金型を3Dプリントして、複合繊維の金型作成に使います。
「小さなスタートアップ企業である当社は、利用できるリソースに限りがあるため、できるだけコスト効果の高い手段で目標を達成できるようにする必要があります」Dabadie氏は言います。「ラピッド プロトタイピングと反復設計にSOLIDWORKS Professionalと3Dプリンタを使うというやり方は、試作品の製作にかかる莫大な費用の節約につながり、高速開発アプローチとビジネス上の成果という点で非常に大きな意味がありました」
設計、コンフィギュレーションの視覚化
Dab Motorsは、SOLIDWORKS Professionalと3Dプリントを組み合わせて試作品を製作しているだけでなく、SOLIDWORKS Visualize Professionalフォトリアリスティック レンダリング ソフトウェアを使って、基本のLM-S設計と多数のオプションを組み合わせた状態での設計の美しさをチェックし、微調整しています。「1つ1つのパーツを製造したりプリントしたりせずに、自分たちの設計の見た目を確認しなければなりません」とDabadie氏は説明します。
「SOLIDWORKS Visualize Professionalを使うと、バイクのスナップショットをレンダリングし、最終的な外観を細部まで確認できます」とDabadie氏は付け加えます。「当社が販売しているハイエンドのカスタム バイクは、機能的な乗り物であると同時に芸術作品でもあります。設計を進めながら、さまざまな部品や装置の配色や質感がどうなっているかを確認できるため、他にはない個性的なバイクを製作できます」