Challenge

エンジニアのニーズに応える3Dプリンタ モデルを開発するため、3Dプリントの要件と機能に関する顧客からのフィードバックを生かします。

Solution

統合型SOLIDWORKS電子設計エコシステム(SOLIDWORKS Premium機械設計、SOLIDWORKS電気回路図設計、SOLIDWORKS PCB電子設計、SOLIDWORKS Simulation Premium構造解析、SOLIDWORKS Flow Simulation電子回路冷却モジュール、SOLIDWORKS PDM Professional製品データ管理、SOLIDWORKS Visualizeレンダリング、SOLIDWORKS Composerテクニカル コミュニケーション ソフトウェア ソリューション)を活用します。

Results

  • 開発サイクルを半減
  • 試作品の必要数を3分の1に削減
  • プリンタの年間売上が3倍に増加
  • 機械設計、電子設計、PCB設計を並行して実行

dddropという社名は、有名なオランダのドロップ リコリス キャンディーと3D(ddd)を合わせたもので、dddrop 3Dプリンタは、特に手頃な価格でエンジニアのニーズに応えるように設計された新しい3Dプリント システムを導入しています。dddropはSOLIDWORKS®販売代理店であるCAD2M B.V.から独立して設立された企業で、顧客が持つ3Dプリントのニーズの実態を探るため、調査プロジェクトとして最初の3DプリンタであるReconを2012年に導入しました。

CAD2M/dddropのオーナー兼CEOであるAlfred Uytdewilligen氏によれば、CAD2Mは2004年から他の3Dプリンタを販売しており、こうした3Dプリンタの長所と短所がわかるようになりました。「専門家レベルの3Dプリンタは、多くの顧客にとって、何よりも値段が高すぎ、一方それほど高価ではない3Dプリンタは、専門的なエンジニアのニーズには応えられないという状況でした」Uytdewilligen氏は振り返ります。

「顧客が必要とするプリント機能を想像するのではなく、当社の顧客ベースを調査する方法としてRecon 3Dプリンタを開発し、とにかく展開していこうと決めたのです」とUytdewilligen氏は説明しています。「当社は、顧客が必要としている機能をさらに理解し、顧客が必要とする大きさ、精度、材料の種類を明確にするため、顧客にこの製品の好きなところと嫌いなところを尋ねました。こうした意見は、後継のモデルに反映されています。」

同社は、顧客からの意見をdddrop Leaderシングル ヘッド3Dプリンタ(2015年に導入)、dddrop Leader TWINデュアル ヘッド3Dプリンタ(2016年に発表)の開発に生かしています。dddropはCAD2Mとの関係のため、統合型SOLIDWORKS電子設計エコシステム(SOLIDWORKS Premium機械設計、SOLIDWORKS電気回路図設計、SOLIDWORKS PCB電子設計、SOLIDWORKS Simulation Premium構造解析、SOLIDWORKS Flow Simulation電子回路冷却モジュール、SOLIDWORKS PDM Professional製品データ管理、SOLIDWORKS Visualizeレンダリング、SOLIDWORKS Composerテクニカル コミュニケーション ソフトウェア ソリューション)を選択します。

「dddropは新たな技術の試験台の役割を担っているため、SOLIDWORKSの機械、電気、電子設計ツールを統合したものを利用する必要があるのです」とUytdewilligen氏は強調します。「当社の電子技術者は、別のPCB設計システムである[OrCAD®]を使用して経験を積んでいますが、さらに統合型SOLIDWORKS PCBソフトウェアを使用してLeader TWIN用の電子部品を開発し、統合型で複数分野にまたがるプラットフォームを使用する利点を完全に理解して欲しいと思っています。」

 

統合型PCB設計、回路図、電子部品冷却

統合型SOLIDWORKSエコシステムの利用で、dddropはLeader TWINの機械、電気、PCBの設計を並行して実行できるようになり、生産性が大幅に拡大しました。同社はSOLIDWORKS PCBソフトウェアを使用して目的の機械筐体内にPCB設計を作成してチェックできるだけでなく、SOLIDWORKS Flow Simulation電子部品冷却モジュールを活用して基板の熱性能を検証して最適化し、SOLIDWORKS Electrical設計ソフトウェアを利用して電気配線とハーネス回路図を作成することもできます。

「当社は統合プラットフォームで開発を完成させる—すべてのデータをSOLIDWORKS PDMで管理する—ため、別々のツールを使用した場合に生じるファイル転送、データ変換、追加作業が発生せず、共同作業と反復作業を効率的に行うことができます」とUytdewilligenは指摘します。「変更が発生すると、システム全体に反映されます。これで、試作品作成に必要な期間を3分の1に短縮するだけでなく、Leader TWINの開発時間を半分に短縮することができました」

当社は統合型SOLIDWORKS電子設計エコシステムを利用してLeader TWINを短期間で開発し、発表しました。

Alfred Uytdewilligen氏
オーナー兼CEO

dddropはSOLIDWORKS電子部品冷却シミュレーション ツールを活用するだけでなく、SOLIDWORKS機構解析機能と構造解析機能を最大限に活用し、Leader TWINの性能を改善します。たとえば、この装置のプリント ヘッドには、可撓性材料のプリントに対応する2個のノズルがあります。プリント ヘッドは軽量であると同時に、高い精度を維持できるだけの硬度が必要です。

「当社が実施したSOLIDWORKS Simulation Premium機構スタディと変形スタディによると、プリント ヘッドが1 mmの鋼平板にすべきであることを示しています」とUytdewilligen氏は語ります。「私は『それでは動作しない』と思い、1 mmのバージョンと3 mmのバージョンの両方の試作品を作成することに決めました。3mmのバージョンは重すぎて機能せず、一方1mmのバージョンは適切に機能したため、ソフトウェアが正しく、私が間違っていることが証明されました。」

 

レンダリングとドキュメント作成を高速化し、市場投入までの時間を早める

dddropはSOLIDWORKS Visualizeレンダリング ソフトウェアを活用して、Leader TWINの写真のような画像をすばやく作成し、市場のニーズに対応します。また、SOLIDWORKS Composerソフトウェアの活用により、製品のドキュメントとユーザー マニュアルを並列で作成するスピードを上げます。「当社は統合型SOLIDWORKS電子設計エコシステムを利用してLeader TWINを短期間で開発し、発表しました」とUytdewilligen氏は述べています。

「ヨーロッパにおける3Dプリンタのスイート スポットは、射出成形がそのポイントよりも発展が望めるソリューションになっているため、5000ユーロ未満です」とUytdewilligen氏は続けます。「SOLIDWORKSによって開発にかかる期間とコストが節約され、スイート スポットよりも大幅に下げることができました。その結果、売上が3倍に拡大しました。」