Challenge

大規模な産業用蓄電の用途に適した亜鉛ベースの電池技術を開発し、製品ラインを拡大して蓄電容量を増やす。

Solution

非線形静的解析、非線形動的解析、線形動的解析のためのSOLIDWORKS® Simulation Premium、CFD(計算流体力学)解析のためのSOLIDWORKS Flow Simulation、SOLIDWORKS PDM(専門家向け製品データ管理)ソリューションを既存のSOLIDWORKS実装環境に追加する。

Results

  • 複数年にわたる開発プロセスを12か月に短縮
  • シミュレーションによる冷却システムを最適化
  • UL認証を取得
  • 製造能力50%向上という目標を設定

Eos Energy Enterprises社は、世界的に使われている蓄電方式を変革するソリューションを開発しています。同社の画期的なZnyth®水性亜鉛電池は、従来のリチウムイオン技術の限界を克服するように設計されています。米国で製造されたZynth電池は、信頼性の高い蓄エネルギーの代替手段を顧客に提供する革新的なEosシステムの中核となっています。Eosシステムは、実際の環境でテストされてきた耐久性のある設計に、実証済みの化学物質と、入手しやすい非貴金属の原材料を応用することで、極めて過酷な温度や条件でも結果を出せるようにしています。

 

Eos亜鉛電池設計を表示するSOLIDWORKS画面のスクリーンショット

 

開発の迅速化

同社は研究開発を完了し、SOLIDWORKS® CAD設計ソフトウェアを使用して2016年に最初の製品を発表しました。最近のB.Riley Principal Merger Corp.社との合併買収までは、数年にわたる製品開発サイクルが業務のすべてでした。

製品をより進化させ、開発を迅速化するという課題に直面していましたが、そのためには、すべての図面とファイルにまつわる問題を解消し、電力を蓄える144個の電池を収納するコンテナを再設計する必要がありました。

David Dubois氏
シニア機械エンジニア

Eosは、非線形静的解析、非線形動的解析、線形動的解析のためのSOLIDWORKS Simulation Premiumと、計算流体力学(CFD)解析のためのSOLIDWORKS Flow Simulationを追加して製品開発を強化しました。同社は現在、SOLIDWORKS PDM Professionalも導入しています。

関連リソース

ドアを閉じた状態のEos亜鉛電池をSOLIDWORKSでレンダリング

 

効率を最適化

SOLIDWORKS Simulationソリューションを追加し、SOLIDWORKS PDMの導入を開始して以来、Eosは開発サイクルを数年から12か月に短縮し、Gen 2.3電池の設計とパフォーマンスの向上により、出力が60%向上しました。さらに、同社はコンテナの蓄電容量を500kWhから750kWhに増やすGen 3電池の開発を進めました。

Eosは、SOLIDWORKS Simulation PremiumとSOLIDWORKS Flow Simulationを活用して、コンテナを最適化し、再設計されたコンテナに入った電池を収納するラックも最適化し、収納コンテナ内の144個の電池(重量6,000ポンド)を冷却する冷却システムの効率を向上させました。

「冷却システムは、下の方から上の方に向けて空気を縦方向に吹き付け、今度は向きを逆転させて流します。そうやって1分間の間に何回か空気を流すのです」とDubois氏は説明します。「流体シミュレーションを実行することで、気流が一部の電池をバイパスしていることがわかりました。そのため、気流を最適化するために設計を変更し、24°Cから7°Cに温度勾配を改善することができました。これはパフォーマンスの大幅な改善でした」。

 

成長するための準備を整える

Dubois氏は次のように述べています。「SOLIDWORKSソリューションを使用して、製品を改善し、プロセスを改善し、ドキュメントを改善しました。この市場が予想通りに大きくなることが判明した場合に、当社のビジネスが爆発的な成長を遂げられるように準備を万端に整えています」。

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