世界初の室内空気清浄器
Highway1に参加した別のスタートアップ企業であるMolekuleは、世界初の分子レベルの空気清浄器を開発しました。過去50年間にわたり、空気清浄システムは高効率粒子空気(HEPA)フィルターに依存してきました。これはフィルターで粒子や一部の生物学的汚染物を捉えますが、これらはフィルター内で存在し続けます。
サウスフロリダ大学のクリーン テクノロジー学部のディレクター兼Molekuleの科学・技術責任者であるYogi Goswami博士によって開発された、特許取得済の光電気化学(PECO)空気殺菌テクノロジーでは、アレルゲン、バクテリア、エンドトキシン、カビ、ウィルス、揮発性有機化合物など、室内空気の汚染物質が完全に破壊され、有害な副産物はまったく生成されずに、微量の水と二酸化炭素のみが生成されます。このテクノロジーは効果的でかつ、拡張可能で、市場で利用可能なあらゆるソリューションよりも性能が優れています。共同設立者兼最高執行責任者のJaya Rao氏は、Molekuleはこのテクノロジーを市場に投入する製品の開発を促進するためにHighway1プログラムに応募したと言います。
「Highway1で、当社は、機能が実証されたテクノロジーから、外観が魅力的で製造可能な製品へと、大きく飛躍できました」とRao氏は言います。スタンフォード大学で機械エンジニアリングと公共政策の修士号を修得したRao氏は、同社の技術および運営の責任を負ってきます。「CADは私にとって禅であり、SOLIDWORKSを利用できることを嬉しく思いました。私はHighway1でSOLIDWORKSを使用して、同じCADを使用するインダストリアル デザイン グループとコラボレーションして美しく効果的なデザインを作り出しました」
共通のSOLIDWORKS設計プラットフォームでインダストリアル デザイナーとコラボレーションできたことは、Molekuleの商業的に魅力のある製品の開発を迅速化する取り組みに役立ったと、Rao氏は述べます。「当社は、ベータ版テスターと機能的な概念実証用試作品で性能を検証して、最終的なデザインのルックアンドフィールを決めるインサイトを得ました」とRao氏は強調します。「現在、ユーザー エクスペリエンスに関する理解が深まったため、SOLIDWORKSを使用して製品の形を改善して、外観に採用する曲率などの特定の詳細に対応できます」
SOLIDWORKSにより、迅速な設計の反復検証とMolekuleチームでのコミュニケーションが支援されるため、このプロセスが促進されます。「製造可能な設計を実現するためにコミュニケーションは不可欠です」とRao氏は付け加えます。「インダストリアル デザイナーと作業する場合も、地元の機械工場と作業する場合も、SOLIDWORKSを使用して3次元で視覚的にコミュニケーションできることは、2017年初頭に当社初の製品を発売するという目標の達成において重要な役割を果たしています」
習慣を改善するスマートなコンパニオン
MOTIは、Highway1に参加して、ユーザーがよりよい習慣を確立、形成、維持することを支援する同名の魅力的なスマートな携帯機器を開発しています。同社の設立者兼CEOであるKayla Matheus氏は、前十字靭帯を破断した後の理学療法に関連した運動習慣を身に付けるという自身の経験の結果として、この製品の開発を考案しました。よい習慣を形成する科学(きっかけ、ルーティン、報酬が関わる)を調査し、このニーズに対応するウェアラブルやスマートフォン アプリケーションなどの既存の製品があまり効果的ではないことを知ったMatheus氏は、"操作が簡単で感情的な反応を引き起こすスタンドアロンのデバイス"のアイデアを思い付きました。
「私たちは自分が考えるよりもパブロフの条件反射をするもので、もっと水を飲んだり、日常的に運動をしたり、毎日デンタルフロスで歯を掃除したりするなどのよい習慣を身に付けるには、環境的な合図や感情的な報酬が必要だということを発見しました」とMatheus氏は説明します。「このプロセスを支援するデバイスの開発には、疑似社会的関係と対話型反応が関わります。MOTIは、タスクが完了したときに単一のボタンを押す行為と、ライト、サウンド、ハプティクスを使用して祝うディスプレイを組み合わせており、さらにユーザーの習慣の進捗の分析と追加のオンライン機能スイートを使用して長期的な関係構築をします」
「他の製品は、ある習慣を形成するために、電池を充電する、適切なアプリケーションを見つけるなど、ツールを使用する習慣を身に付ける必要があるため、あまり効果的ではありません」とMatheus氏は続けます。「さらにウェアラブルには形体上の制限があり、スマートフォン アプリと感情的な関係を築くのは難しいです。MOTIは、顔や目のイメージ、ソーシャル ロボティクスのコンセプトを採用して、ユーザーが持続できるよい習慣を身に付けるために必要なモチベーションを維持できるように支援する点でより効果的です」
Highway1で、MOTIはSOLIDWORKSを活用して製品の設計を改良し、MOTIの形体と外観が、感情に訴え、遊び心のある中身と一致するようにしました。初期の設計は主にソリッドベースでしたが、Matheus氏は生産準備に向けてSOLIDWORKSのサーフェス ツールを活用しています。「ライト サーフェスを行って設計の製造準備を整えました」とMatheus氏は言います。「真空チャンバー内でシリコン成形を行います。SOLIDWORKS内の金型設計および解析ツールは、抜き勾配や肉厚など、製造におけるベスト プラクティスを維持するのに役立っています」
「個人的には、MOTIは私に、定期的なヨガの練習を継続する気を起こさせてくれます。SOLIDWORKSは、MOTIを効果的にするために必要なデザインと個性を実現するのに役立っています」とMatheus氏は付け加えます。「現在は開発の迅速化が非常に重要です。SOLIDWORKSで利用できるツールはデザインを改良し、ラピッド プロトタイピングに非常にすばやく移行する支援をしてくれます」