Ideumは、1999年の設立当初は博物館/美術館向けのインタラクティブなWebサイトやソフトウェアを開発していましたが、現在はインタラクティブ マルチタッチ テーブルおよびウォール ディスプレイのハードウェア ソリューションを手がける大手メーカーに成長しています。同社のアプリケーションに対応するディスプレイ ハードウェアの品質に満足できなくなったため、2008年に独自のマルチタッチ テーブルの設計、製造、販売に着手しました。公共の場でインタラクティブ タッチ ディスプレイが普及しつつあったため、Ideumはこのような製品の需要が高くなると見込んでターゲットを移しました。同社は、世界を相手に、通信量の多い厳しい環境でも使用できるさまざまな最先端のマルチタッチ ハードウェアを製造しています。同社の製品はさまざまな場所で採用され、特に博物館/美術館でよく使われます。たとえば、ワシントンD.C.の航空宇宙博物館、シカゴのフィールド博物館、サンフランシスコのエクスプロラトリアムなどで使われています。このような大型のテーブルや壁面据え付け型のタッチ デバイスは、複数のユーザーが同時に使えるように作られています。その魅力的で硬質なデザインの中には、ハイエンド コンピュータと最先端のインタラクティブ タッチ ディスプレイ技術が組み込まれています。設計会社からハードウェア メーカーに転身したIdeumは製造上の難題に直面することになったと、クリエイティブ ディレクター兼CEOのJim Spadaccini氏は述べています。「工業デザイナーが使用するクリエイティブ ツールのAdobe® Illustrator®図面パッケージとRhino®サーフェシング パッケージは、設計コンセプトの作成には有効ですが、製品の設計、エンジニアリング、製造にはさほど適していないことがわかりました」とSpadaccini氏は振り返ります。「加工業者や製造パートナーとの作業において、データ変換に関して過ちを犯し、プロセスが非効率になっていたのです」とSpadaccini氏は説明します。「ハードウェアのユーザー層を広げていくと開発プラットフォームも強固にしていかなければならないことが明らかになりました。メインの板金製作業者からSOLIDWORKSソフトウェアを推奨されたので、私たちは2014年にSOLIDWORKSプラットフォームに一本化しました」。Ideumは、SOLIDWORKSソフトウェアを選択し、SOLIDWORKS Professional設計ソフトウェアとSOLIDWORKS Premium設計・解析ソフトウェアを導入しました。選択の理由は、使いやすさ、製造性への対応、統合された有限要素解析(FEA)シミュレーション ツールおよびPhotoView 360フォトリアリスティック レンダリング ツールでした。 「SOLIDWORKSを使って、開発プロセスと製造プロセスを効率化できます。それは、板金製作業者からクライアントに至るまであらゆる関係者との間で効果的に伝達し合うためのツールがすべて揃っているからです」とSpadaccini氏は言います。
開発期間を短縮、視覚化を向上、エラーを削減
SOLIDWORKSに一本化したIdeumは、標準製品とカスタム製品の開発において、設計サイクルを短縮し、精度を向上させることができました。このインタラクティブ ディスプレイ メーカーは、開発期間をカスタム製品で半分、標準製品で25%、それぞれ短縮しています。「カスタム仕様を導入しようとすると、それに付き物の課題が1つあります。空間全体の中でハードウェアがどのように見えるかということです」とSpadaccini氏は説明します。「SOLIDWORKS PhotoView 360レンダリング ツールによって、設計者とエンジニアは、カスタム ハードウェアとハードウェア コンフィギュレーションを視覚化し、クライアントと高い精度で共有できるようになりました。「設計時間とコストを最小限に抑える上で、SOLIDWORKSは大きな役割を果たしています。パラメトリック設計、板金、溶接、構造解析の各ツールを使用できるからです」とSpadaccini氏は補足します。「当社のすべての製品ラインを通して、設計要素を、それが構成部品であっても、容易に共有できます。また、アセンブリ コンフィギュレーションを使った繰り返し設計も可能です。SOLIDWORKSの関連付け機能により、すべてのアセンブリ図面と部品図面が自動的に更新されるため、製品サイクル間の開発期間を短縮できます」