Challenge

ワークフローの効率化を進めて、製品開発サイクルを短縮し、顧客とのやり取りを効率化し、スループットを向上させる。

Solution

SOLIDWORKS Professionalによる設計、SOLIDWORKS Premiumによる設計および解析、SOLIDWORKS Flow Simulationによる数値流体力学(CFD)解析、SOLIDWORKS Composerによるテクニカル コミュニケーション、SOLIDWORKS PDM Professionalによる製品データ管理の各ソフトウェア ソリューションを導入。

Results

  • 設計サイクルを40%短縮
  • 2回にわたる物理的な試作品製作を省略
  • 顧客とのデータ交換とやり取りを改善
  • コストの高い写真の代わりにレンダリングを使用

Indmar Products, Inc.は、船舶用の船内機を製造しています。ウェイクボードや水上スキー用の高性能なトーイングボートと急流上り/下り用のジェットボートで使用されるエンジンです。米国海兵隊を退役したDick Rowe氏によって1971年にテネシー州ミリントンで設立されたIndmar社は、自動車用エンジンを海洋化(マリナイゼーション)して船内機に転用しています。エンジンを船舶用に調整する海洋化は複雑なプロセスです。すべてを再設計しながら、基本的なエンジン ブロックでは対象船舶の性能要件と米国沿岸警備隊の規制要件を満たさなければなりません。 

Dick Rowe氏の子息であるChuck Rowe氏の指揮のもと、Indmar社は海洋業界に数々のイノベーションをもたらし、ガソリン燃料船内機メーカーとして国内最大規模の株式非公開企業に成長しました。たとえば、同社はキャデラックのノーススター エンジンとシボレーのLS-1コルベット エンジンを初めて海洋化しています。現在の同社の製品は、フォードのF-250 Super Dutyトラックに搭載される6.2L 16バルブV8エンジンを使ったバリエーション展開となっています。 

1990年代まで、設計業務はすべて手作業でした。その後、AutoCAD® 2次元設計ツールを導入した同社は、いち早くPro/ENGINEER®に移行し、さらにAutodesk® Inventor® 3次元設計パッケージを導入しています。2014年、Indmar社の経営陣は3次元設計環境を見直す決断を下します。その狙いは、顧客やパートナーとのデータ共有を容易にし、ワークフローを効率化して、設計サイクルの短縮、スループットの向上、市場投入期間の短縮を実現することでした。

Indmar社エンジニアリング部門バイス プレジデントのJason Stimmel氏によると、同社は統合SOLIDWORKS® 3次元製品開発プラットフォームへの移行を決定し、SOLIDWORKS Professionalによる設計、SOLIDWORKS Premiumによる設計および解析、SOLIDWORKS Flow Simulationによる数値流体力学(CFD)解析、SOLIDWORKS Composer™によるテクニカル コミュニケーション、SOLIDWORKS PDM Professionalによる製品データ管理(PDM)の各ソフトウェア ソリューションを導入しました。決め手は、アプリケーションが使いやすく、妥当な価格である点と、エンジン設計でのコラボレーションの際に船舶製造顧客とのやり取りが容易になる点でした。 

「大半のお客様はSOLIDWORKSの何らかのバージョンをお持ちです。多くのベンダーも同様です」と、Stimmel氏は説明します。「SOLIDWORKSに移行すると、プラットフォームの共通化が進み、船内機設計でコラボレーションする際に簡単にお客様とデータを共有してやり取りできるようになります」

SOLIDWORKSプラットフォームを使用して効率アップに成功したことを受けて、当社の設計者全員にCSWP(Certified SOLIDWORKS Professional)またはCSWE(Certified SOLIDWORKS Expert)に合格することを義務付けています。認定の取得を必須としたのは、設計者のSOLIDWORKSスキルを底上げすることで効率をさらに高められると確信しているからです。

Jason Stimmel氏
エンジニアリング担当バイス プレジデント

設計サイクルを短縮、認定試験を必須化

SOLIDWORKSプラットフォームに移行したIndmar社は、設計サイクルの短縮も実現できました。SOLIDWORKS PDM Professionalシステムを導入して、設計とエンジニアリングのワークフローを自動化および効率化することで、スループットが向上した結果です。「設計時間を40%短縮でき、その主な理由はエンジニアリング プロセスの効率化です」と、Stimmel氏は語っています。

「SOLIDWORKSプラットフォームを使用して効率アップに成功したことを受けて、当社の設計者全員にCSWP(Certified SOLIDWORKS Professional)またはCSWE(Certified SOLIDWORKS Expert)に合格することを義務付けています」と、Stimmel氏は続けます。「認定の取得を必須としたのは、設計者のSOLIDWORKSスキルを底上げすることで効率をさらに高められると確信しているからです」

シミュレーションにより、試作品の数を削減し、排気システムと冷却システムを改善

SOLIDWORKS設計ソリューションのメリットには、生産性の向上もあります。Indmar社は、SOLIDWORKS Premiumに含まれる構造シミュレーション ツールで構成部品の性能を検証し、SOLIDWORKS Flow SimulationのCFD解析機能でエンジンの排気システムや冷却システムの流量と熱作用を最適化することで、生産性の向上を達成しています。「搭載されているシミュレーション ツールにより、試作品の製作回数を削減できました。これで、開発サイクルが短縮されただけでなく、コストも削減されました」

「SOLIDWORKS Flow Simulationソフトウェアで得られる結果にも満足しています。その結果を物理テストの結果と相互に関連付けています」と、Stimmel氏は補足します。「当初は、もっとハイエンドなフロー パッケージが必要だと考えていました。しかし、テストを通じて、SOLIDWORKS Flow Simulationで正確な結果が得られることを確信しました。また、このソフトウェアはSOLIDWORKSモデリング環境とシームレスに統合されているため、時間を一段と節約できます」

さらなる海洋イノベーションを推進

SOLIDWORKSプラットフォームに標準化したIndmar社は、さらなる業界イノベーションとしてStrainer Proを発表しました。水吸引ろ過アクセサリと、船内機を洗浄するためのビルトイン洗浄キットです。2つの製品を一体化したStrainer Proは、扱いやすいホース接続部を搭載しており、エンジンの洗浄が容易です。船舶オーナーは、使いやすい1つの製品で、エンジンを付着物から守り、水性侵入生物種除去やメンテナンスを簡単に行えます。

「SOLIDWORKSですべてを開発したStrainer Proは、革新的なソリューションです。2つの製品を1つにまとめて、点検作業と水性侵入生物種除去作業を迅速化することができ、エンジンの稼働時間を延ばすことができます」と、Stimmel氏は説明します。「さらに、当社ではより革新的なユーザー マニュアルの製作も可能になりました。ユーザー マニュアルや部品カタログに、コストの高い写真を掲載する代わりに、SOLIDWORKS Composerで作成したレンダリングを使用しています」