Labun Nuclear Technologiesは、数十年前に原子力発電所に取り付けられた、アナログ回路、機器、制御システムに変わるものとして機能する最新のデジタル電子部品、基板、システムを製造するために設立されました。原子力発電所の制御ルームや監視システムで使用されている電子機器を開発したメーカーからは、もはや交換部品が提供されなかったり、部品があってももう適合しなかったり、コストが高すぎたりしました。そこで、原子力発電所内の部品や電子システムが機能を停止した場合、管理部門はLabun Nuclear Technologiesオーナー兼社長のDoug Labun氏に、問題のあるシステムをリバース エンジニアリングして最新鋭のデジタル部品やシステムを開発するよう、依頼を繰り返しています。
Labun氏が初めてこの作業に着手したのは、機器や制御の技術者としてバーモントヤンキー原子力発電所に勤務していた、彼のキャリアの初期段階でした。「私は電圧の変換や、輻射レベルの出力に関連する単純な回路に関する部品の交換から始めました」とLabun氏は振り返ります。「たとえばキャパシタの不具合で基板が故障した場合、キャパシタを交換するといった具合です。しかし時間が経過し、こうした種類のシステムが増えていき、30年~40年前に取り付けられたものの多くは全体を交換する必要がありました。この要求に応えるかたちでの仕事を設立することになったわけです。」
Labun Nuclear Technologiesは、SOLIDWORKS® Professional機械設計ソフトウェアとPADS® PCB設計パッケージを使用して、最初に原子力発電所の交換用基板とシステムのリバース エンジニアリングを行いました。Labun氏は、システムのハウジングとパッケージングの設計にSOLIDWORKSソリューションを評価する一方で、彼は2つのアプリケーション間の統合の不足が障害となり、開発が遅れ、コストも余計にかかることになっていることを承知していました。
「私は基板を設計したり、使いやすい形式で基板をPADSから取り出すのに苦労していました」とLabun氏は語ります。「本当に必要としているのは、SOLIDWORKSと互換性のあるPCB設計ツールであることに気づきました。」
Labun氏はデモを見て、すぐにSOLIDWORKS PCB powered by Altium PCB設計ソフトウェアをそのSOLIDWORKS機械設計インストール環境に追加しました。Labun Nuclear TechnologiesはSOLIDWORKS PCBソフトウェアがSOLIDWORKSと完全に連携し、基板の開発を効率化するため、このソフトウェアを選択しました。
SOLIDWORKS PCBをインストールし、最初の基板を次の日にリリース
Labun Nuclear TechnologiesがSOLIDWORKS PCBソフトウェアをインストールしたその日のうちに、Labun氏は40個~50個の部品から成るLCDスクリーン用のアダプタ基板の開発に着手しました。次の日までにこの基板は製造の準備が整いました。「SOLIDWORKS PCBソフトウェアをインストールしてから48時間以内に、最初の回路基板設計が製造用にリリースされました」とLabun氏は指摘します。
「SOLIDWORKSとSOLIDWORKS PCB以外の組み合わせでは、同じような素晴らしい成果を望むことはできません」とLabun氏は続けます。「クラッシュ、ファイル変換、データ転送を行うことなく、2つのプログラム間を交互に行き来することができます。SOLIDWORKS PCBの基板上の部品を渡し、設計からSOLIDWORKSに移行してクリアランスを検査し、SOLIDWORKS PCBに戻って修正を行い、次にSOLIDWORKSに戻り、製造用の統合BOM [部品表]情報とファイルを自動的に生成します」