ラジオ放送帯送信機、航法無線ビーコン、eLoran送信機、気象送信機、ソナー システムの開発を前進させるために、設計性能の向上、製品の軽量化と小型化、開発サイクルの短縮を実現して、市場投入までの時間を短縮
SOLIDWORKS®の機械設計、プリント基板（PCB）設計、シミュレーション、製品データ管理（PDM）、ビジュアリゼーション、テクニカル コミュニケーションのソフトウェアで構成される統合ソリューションを導入
Nautel Ltd.は、AMラジオ放送とFMラジオ放送の送信機の世界最大手メーカーです。カナダと米国に通信設備を構え、高出力のソリッドステート無線周波数（RF）製品の設計、製造、サポートを手掛ける世界トップ クラスのメーカーです。
Nautelは、どの3次元CADシステムに一本化するか決める前に、Autodesk Inventor®、Solid Edge®、SOLIDWORKS®の3次元設計システムを比較評価しました。その結果、NautelはSOLIDWORKSを選択しました。理由は、使いやすく、価値の高い多数のツールが統合されたソリューションを利用でき、SOLIDWORKSの販売代理店から質の高いサポートを受けられるからです。
Nautelは、SOLIDWORKSの機械設計/PCB設計/シミュレーション統合ツールを使用することで、開発サイクルを33%短縮し、送信機の重量を半分に軽量化し、創業以来、最大級の回路基板（8層構造で2,000以上の部品を含む12×8インチ基板）を設計しました。
「SOLIDWORKSを初めて導入してすぐに、板金設計の生産性が向上できることがわかりました。ボタンを1回押すだけで平面パターンを生成できるからです。
Nautelは、SOLIDWORKS Simulation Premiumの動解析機能とSOLIDWORKS Flow Simulationの数値流体力学（CFD）解析機能を活用して、設計を短時間でコスト効率よく試作できるようになったため、物理的な試作の回数を減らしつつ、設計性能も向上させることができました。
Nautelがカナダ海軍のソナー システムを開発した際に、船のエンジンや海流による振動がシステム性能に干渉しないようにするために衝撃解析と振動解析を実行する必要があったため、SOLIDWORKS Simulation製品の役割は非常に重要でした。
また、Nautelは、製品の小型化、軽量化を求める市場の需要に応えるために、SOLIDWORKS Flow Simulationを使用して電子機器冷却系の検証と最適化を行っています。
「製品は軽いほど、場所を取らないほど、よい製品と言えます」とPanczyk氏は語ります。しかし、出力レベルを同じに保ちながら小型化する場合、たとえば当社の70ポンド（約32 kg）のVS 2½キロワットFM送信機を半分のサイズにする場合には、フィン、ファン、ヒート シンクの冷却効果をシミュレートして電子機器冷却系を最適化することがいっそう重要になります。そのために当社は、SOLIDWORKS Flow Simulationソフトウェアを使っているのです」
ハンガリーのソルト近郊にあるAntenna Hungariaの施設に設置する2mWのAM中波送信機は、過去最大級の機器になりますが、Nautelはこの機器の設計に、SOLIDWORKS PCB Powered by Altium電子設計ソフトウェアを使用しました。「SOLIDWORKS PCBソフトウェアを使う場合には、使い慣れた設計環境が一元化されるため、機械エンジニアと電気エンジニアのコラボレーションのレベルが大幅に上がります」
「また、当社のエンジニアが扱う基板設計も一元化され、実際のPCBに非常に近いものを1つだけ処理すればよくなります」とPanczykは続けます。「当社の設計者は、このソフトウェアを使用して、PCB設計の品質を向上させ、開発時間を短縮しています」
