Palatov Motorsportは、高性能自動車、部品、アクセサリーの設計と製造を行っています。同社の顧客は、Palatovの車両を主にレクリエーション トラックデイ(アマチュアの愛好家がレーストラックを利用できるイベント)に使用します。しかし、Palatov Motorsportは一般道路での走行用に登録可能な車両モデルも生産しています。この特殊自動車メーカーは、比類のない価値を提供する卓越した性能を持つ設計を作成および製作することに努めています。また、Palatov Motorsportは、個別に製作された車両から少量および中量生産の特殊車両まで、カスタム自動車用のサスペンション 部品などの構成部品の設計と供給においても成功を収めています。
2008年にPalatov Motorsportを設立する前は、共同経営者のDennis Palatov氏はコンピュータの筐体を設計する機械エンジニアとして勤務していました。その職務では、3次元設計プラットフォームが必要でした。そのため、Palatov氏は1995年に市場で入手可能な設計ソリューションを評価した後に、SOLIDWORKS®の3次元設計ソフトウェアを選択してから、お気に入りの設計ツールとしてずっと使用してきました。「Pro/ENGINEER®も評価しましたが、高価なワークステーションが必要で使いにくかったのです」とPalatov氏は思い起こします。
「私はPCベースのソリューションを求めており、SOLIDWORKSの評価をすることを決めました。ユーザー マニュアルを開かずに席に着いて、SOLIDWORKSをすぐに使い始めることができることがわかりました。このソフトウェアは非常に直感的で、自分の脳が働くように動作します。自分の頭の中にあるアイデアを生産的に現実化できるのです」
彼の経験から、Palatov MotorsportでSOLIDWORKSを選択するのは簡単な決断でした。「厳密な公差のある自動車全体をゼロから自分自身で設計し、4人のチームでその自動車を組み立てます」とPalatov氏は言います。「大抵の特殊自動車は、20人~30人以上のチームで開発されます。Palatov Motorsportでそれを行うには、SOLIDWORKSが不可欠です。このソフトウェアは継続的に進化、改善されており、素晴らしいツールであることが実証されています。」
この特殊自動車メーカーは、空気力学的性能を最適化するために、統合されたSOLIDWORKS Flow Simulationを2012年に追加導入しました。SOLIDWORKSに一本化した決断と同様に、Palatov Motorsportが SOLIDWORKS Flow Simulationを選択した理由は、同ソフトウェアが直感的で、SOLIDWORKS設計環境内で機能し、正確な結果を出すためです。
流体シミュレーションで空気力学的特性を改善
Palatov Motorsportは、SOLIDWORKS Flow Simulationを使用して、空気の流れ、抗力、ダウンフォースが自動車の性能にどのように影響するかについて重要なインサイトを得ることができました。これにより、同社は自動車の空気力学的特性を改善しただけではなく、運転者の好みに合わせて空気力学的要素を柔軟に調整できました。たとえば、同社はSOLIDWORKS Flow Simulationを使用して、コロラド州の標高4,301mのパイクス ピークで開催される、距離19.99km、コーナー数が156あるパイクス ピーク インターナショナル ヒル クライム(IHC)でのレース用に特別に設計されたD1PPS(パイクス ピーク スペシャル)を開発しました。
「SOLIDWORKS Flow Simulationを使用してD1PPSの流体解析を実行し、その結果を物理テストで得た実際のデータと比較しました」とPalatov氏は説明します。「SOLIDWORKS Flow Simulationの結果と実際のデータの間に98%の相関性があることが実証されました。これにより、空気力学的特性を改善するために、このソフトウェアを信頼できることが分かりました。時速161kmで車両に181kgのダウンフォースがまだかかりますが、解析結果を使用して、フロント/リア部でのこの力の分布を最適化して空気力学的特性を調整できました。」