Challenge

旅客輸送と遠隔地飛行を目的とした商業使用に関する政府の安全要件を満たす、初の有人ハイブリッド飛行機/飛行船の開発を促進する。

Solution

SOLIDWORKS Standard、SOLIDWORKS Professional、SOLIDWORKS Premium設計ソフトウェア、SOLIDWORKS Simulation、SOLIDWORKS Simulation Premium、SOLIDWORKS Flow Simulation解析ソフトウェア、SOLIDWORKS Enterprise PDM製品データ管理ソフトウェア、SOLIDWORKS Sustainability環境影響評価ソフトウェア、SOLIDWORKS Composerテクニカル コミュニケーション ソフトウェア ソリューションを導入する。

Results

  • 開発プロセスを短縮
  • 必要な試作品の数を削減
  • グローバル パートナーとのコラボレーションを促進
  • 初の有人ハイブリッド飛行船で規制承認を取得

これは小型飛行船?飛行機?いえ、ソーラーシップです。ソーラーシップ ハイブリッド飛行船は、飛行機と飛行船の特性をソーラーパワー飛行装置に組み込んだ初の航空機であり、政府の規制承認と有人飛行許可を取得しています。

カナダ、トロントのSolar Ship Inc.が開発したこのソーラーシップは、完全なハイブリッド航空機であり、浮揚ガスと航空力学の両方で揚力を得ます。ウィングシップ型のデザインで発電用の太陽電池を設置する表面積を拡大し、短距離での離着陸と自己給電による長距離飛行が可能です。ソーラーシップは、化石燃料、道路、滑走路なしで旅客飛行が可能なので、遠隔地間の旅客/貨物輸送に最適です。

現行の試作品はCaracalとして市販される予定であり、医薬品の輸送や情報・監視・偵察(ISR)市場向けのソーラーシップとしての導入を見込んでいます。大型モデルは2種類あります。Chuは中規模貨物市場向けで、大型のNanuqは大規模貨物向けの輸送船として今後投入される予定です。

CEOのJay Godsall氏は、ソーラーシップを単なる良いアイデアから商業的な輸送手段に移行するには、効率的で信頼性の高い開発プラットフォームが必要だと述べています。「このプロジェクトは、ソーラーシップに対する情熱を持つ多くのエンジニアによって成り立っています」とGodsall氏は語ります。「グローバル パートナーとコラボレーションするという段階で、『多くの人が好んで使用する共通の設計形式とは何だろうか?』と問いかけると、若きエンジニアたちはSOLIDWORKSだと答えました。私たちは多くの協力者の知識を結集してソーラーシップを開発しています。SOLIDWORKSは、コラボレーションを促進する最適なプラットフォームとして、その効果を証明しています」


Solar ShipがSOLIDWORKS®ソリューションを選択したのは、使いやすさや堅牢性とともに、設計、シミュレーション、視覚化、コミュニケーション、製品データ管理(PDM)機能を統合された環境で利用できることが理由でした。同社はSOLIDWORKS Standard、SOLIDWORKS Professional、SOLIDWORKS Premium設計、SOLIDWORKS Simulation、SOLIDWORKS Simulation Premium、SOLIDWORKS Flow Simulation解析、SOLIDWORKS Enterprise PDM(EPDM)、SOLIDWORKS Sustainability環境影響評価、SOLIDWORKS Composer™テクニカル コミュニケーション ソフトウェア ソリューションを導入しました。

 

安全な運行の確保


SOLIDWORKSを使用することで、Solar Shipは開発速度を上げながら、安全性を常に最優先することができました。SOLIDWORKS Simulationでの構造解析、SOLIDWORKS流体シミュレーションでの数値流体力学(CFD)解析により、Solar Shipのエンジニアは、コンピュータ シミュレーションを使用して、まったく未知の領域だった航空概念の検証を進め、こうした航空機の独自の要件を満たすためのイノベーションを短時間で開発できました。


「その多くが初めての経験となる課題に対処するために、私たちは当初より高い安全係数を設定することにしました」と工業デザイナーのAndrew Leinonen氏は語っています。「安全性は最優先事項でした。SOLIDWORKS Simulation FEA(有限要素解析)ツールを使用して性能の理解を深め、安全な開発を推進しました」

安全性は最優先事項でした。SOLIDWORKS Simulation FEA(有限要素解析)ツールを使用して性能の理解を深め、安全な開発を推進しました。

Andrew Leinonen氏
工業デザイナー

シミュレーションによる時間の短縮、コストの削減、試作品数の削減

SOLIDWORKSシミュレーション ツールは、時間短縮、コスト削減、試作品数の最小化にも貢献しました。「シミュレーションにより、巨大で硬質なアルミ機体と軽い膨張型ウィングの相関関係を把握することで、飛行負荷と着陸負荷に耐えられるソーラーシップの強度を確保しながら、単体での軽さを維持しました」とLeinonen氏は指摘しています。「SOLIDWORKS構造、座屈解析、変形、CFD解析ツールを活用することで、開発プロセスから憶測を排除できました」


「シミュレーションにより破壊試験も不要となり、時間とコストを節約できました」とLeinonen氏は補足しています。「必要な試作品の数も当然少なくなりました」

 

注ぎ込んだ情熱に対する見返り


時間とコストの節約は企業の成功にとって不可欠ですが、Godsall氏は、統合されたSOLIDWORKS設計、シミュレーション、視覚化、コミュニケーション、環境配慮、PDMシステムを利用する重要なメリットは別にあると指摘しています。つまり、情熱に対する見返りの高さです。

「開発チームがリスクの高い案件に情熱的に取り組む場合、失敗したときに、失った時間と資金以上の損害が発生します」とGodsall氏は語ります。「チームの情熱やエネルギーが下がり、熱意が落ち込む可能性があります。SOLIDWORKSソリューションのツールを使用することで、仮想環境で失敗をシミュレートできます。これにより、チームの士気に対する感情的な影響を抑えるだけでなく、リスクを冒し、新たなアプローチを試し、突破口を見い出すために必要な自信を構築することができます。SOLIDWORKSは、誰も飛べなかった場所を飛ぶ航空機の実現を後押ししてくれます」