Challenge
Solution
Results
- 納品のリード タイムを66%短縮
- 試作品を作成せずにorangeSwitchシステムを開発
- 設計エラーとそれに付随するサポートの問題を解消
- 売上と利益率が増加
InTech GmbHは、自動車、工業、輸送セクターのデジタル化、自動化、進化をサポートする電子システムの開発に重点的に取り組んでいる、先進的なエンジニアリング企業です。ドイツ、オーストリア、米国、メキシコ、中国、チェコ共和国、英国、ルーマニアに拠点を置く同社は、製品とサービスの包括的なポートフォリオを提供しています。2002年の設立以降、着実に成長し、現在は8ヶ国の17拠点に、高い技能を持つ1,500名以上のスペシャリストを擁しています。
同社の製品の一部は、自動車システムのテストの効率、精度、信頼性を強化する電子システムです。その1つである自動切替システムのorangeSwitchは、複数の電子制御ユニット(ECU)間のテストを自動的に切り替えることで、自動車ECU制御システムのテストベンチの効率化を促進するというものです。orangeSwitchを使うと、ECUで制御されているシステムのリアルタイム バーチャル シミュレーションを手動介入なく自動的に切り替えられるため、一般的なテスト自動化フレームワークにすべて対応するテストを、営業時間外に実施することができます。
最初のorangeSwitchは顧客個々のユース ケースに対応するカスタム製品として開発されたため、エンジニアはそれぞれのスイッチを別々に開発していました。そのことが後に、リード エンジニアのJulian Renz氏が言うところの「忌まわしい出来事」を引き起こします。同氏は「orangeSwitchの旧バージョンには多くの欠点がありました」と説明します。「当時のorangeSwitchにはプラスチックの筐体がついており、ブレッドボードの試作、はんだ付け、配線は手作業で行う必要がありました。この面倒な手作業のアセンブリが、ミスをしやすくトラブルシューティングと修復が困難な状況を生み出したのです。時間とコストの削減、製品の品質と外観の改善、顧客からの評価と満足度の向上を実現するため、私たちはorangeSwitchの設計を全面的に見直し、カスタマイズがほとんど要らないモジュール設計の規格品として発売することにしました。そこで、統合性に優れ自動化機能を備える設計ツールが必要になったのです」
InTechの研究開発グループは2014年からSOLIDWORKS®を使用していたため、orangeSwitchの再設計チームにも導入を勧めました。しかし、再設計に電気システム、回路図、プリント基板の作成が必要だった同チームは、電気設計と電子設計のツールも探していました。
「幸運にも、私たちのオフィスと同じビルにSOLIDWORKS代理店のSolidProが入っていたんです」Renz氏は振り返ります。「2015年にSOLIDWORKSを導入した後、2016年にSOLIDWORKS Electrical、2017年にはSOLIDWORKS PCB電子設計ソフトウェアを追加導入しました。いずれも、SolidPro主催のイベントでソリューションを確認してからのことです。導入の理由は、使いやすく、SOLIDWORKS機械設計に統合できるうえに、orangeSwitchの再設計を仕上げるために必要な機能を備えていたことです。どちらのソリューションも、ちょうどorangeSwitchの開発促進に必要になったタイミングで導入しました」
SOLIDWORKSは機械設計、電気設計、電子設計のツールが統合されているため、試作品を作る必要もなく、たった1つのリビジョンで設計を仕上げることができました。
統合型のSOLIDWORKS機械設計、電気設計、電子設計ツールを手にしたInTechは、orangeSwitchの再設計を加速。ケーブル ハーネスの構成だけを顧客側でカスタマイズすればよい、モジュール型の規格品に生まれ変わらせました。orangeSwitch再設計チームは、製品の回路基板をSOLIDWORKS PCB、電気回路図とケーブル ハーネス構成をSOLIDWORKS Electrical、機械的ハウジングをSOLIDWORKS CADで作成しました。
「SOLIDWORKSは機械設計、電気設計、電子設計のツールが統合されているため、試作品を作る必要もなく、たった1つのリビジョンで設計を仕上げることができました」Renz氏はそう話します。「とりわけ高く評価しているのは、SOLIDWORKS PCBで設計ルールやオンライン設計の配線を包括的にチェックできる(DRC)点と、SOLIDWORKS Electricalでシンプルながらも必要な情報を的確に伝える回路図が作れる点です」
統合型のSOLIDWORKS電気機械開発システムを導入したInTechは、より効率的なモジュール設計アプローチを採用でき、orangeSwitchのカスタマイズ部分を最小限に抑えることで、納期を短縮しました。「納期の短縮はorangeSwitchの再設計における第一目標でした。SOLIDWORKSのソリューションは、その目標をより簡単に達成できるよう後押ししてくれました」Renz氏は強調します。
「再設計の前は、スイッチのカスタマイズにおよそ6週間から8週間かかっていましたが、SOLIDWORKSで再設計したことでorangeSwitchのカスタマイズ要件が大幅に緩和され、2週間で納品できるようになりました」
orangeSwitchを再設計して市場に投入した結果、以前よりも優れた製品になり、売上が増加して利益率が改善されました。「orangeSwitchの再設計にSOLIDWORKSの電気機械ソリューションを採用したおかげで、製品の全体的な見た目と性能が向上し、プロ仕様の製品を印象付けることができました」Renz氏は説明します。
「私たちは売上高という意味ではとても小さな市場にいますが、幸運にも一部のお客様に熱烈に愛されています。orangeSwitchの再設計を通して、私たちは設計ミスをなくし、これまでのバージョンで起こっていた問題に対処することができました。より高品質な製品をお客様に提供する一方で売上高と利益率を伸ばすこともでき、当社にとってもお客様にとってもいいことづくめです」