Barrels of Fun社:カスタムのピンボールマシンをゼロから製作
ピンボール専門メーカーのBarrels of Fun社は、SOLIDWORKS Designを活用し、機械の概念設計から製造可能な製品に至るまでの期間を短縮しています。
課題
社内設計およびベンダー設計による何千もの機械部品を制約の厳しい盤面内で統合し、開発の初期段階で干渉とクリアランスの矛盾を特定して解決すること。
解決策
SOLIDWORKS Designを使用して、発泡スチロールと段ボールで出来た手製のモックアップからデジタル開発へと移行。
結果
- 配置に関するほぼすべての問題を設計プロセスの初期段階で解消
- 試作品製作サイクルの短縮(デジタルモデル化では多くの場合、同日に完成)
- 製造前に必要な物理的試作品の数を削減
- デジタルモデルを元にした、瑕疵のない初回製造の確率を向上
Barrels of Fun社は、『デューン 砂の惑星』、(マペット クリエイターの)Jim Hensonが手がけた『ラビリンス/魔王の迷宮』などの有名な映画や架空の世界をベースにした、限定版の特注ピンボールマシンを製作しています。CEO兼デザイナーのDavid van Es氏が述べるとおり、Barrels of Fun社のチームでは、汎用的なピンボール台を設計し、後からアートワークとサウンドでテーマを被せる、という方法はとっていません。各プロジェクトはまず、ストーリー、キャラクター、設定、象徴的なシーンを綿密に分析するところから始まります。そしてそれらの要素は、マシンのプレイルールや、物理アーキテクチャ(ランプ、ターゲット、可動部の機能など)、照明効果、サウンド デザインに直接変換されます。つまり、最初の段階から、ストーリーを反映したプレイ体験を生み出すことが意図されているのです。

16歳の時にオーストラリアでピンボールの世界に足を踏み入れたvan Es氏は、人生初のゲームを自宅のダイニング ルームで作り上げました。今でも氏の情熱は、現在の会社拠点であるテキサス州ヒューストンの地から世界レベルの製品を生み出すことに注がれています。「知的財産(IP)を選択する際、盤面を作成してからIPを配置することはしません。私たちは毎回、文字どおりのゼロからスタートしています」とvan ES氏は説明します。たとえば同社の『ラビリンス』ゲームの場合、「盤面にキャラクターの頭が飛び出てきて」、ボールが「物理的にロックされ、そこへ別のボールを当てると、頭からボールが飛び出してくる仕掛けになっています。映画と同様のギミックです」機械でこれほどのレベルのストーリー要素を実現するには、かなりの専門知識と調整が必要です。
Barrels of Fun社のマニュファクチャリング スペシャリスト、Paul Salisz氏は、多くの人がピンボールマシン(の設計と製造)はシンプルなものだと考えているが、実際にはおそろしく込み入って複雑なものなのだ、と話しています。外見上、単純で簡単に見えても、実際には多数の構成部品や、高度な詳細設計と組み立てが関わっているのです。

関連リソース
SOLIDWORKSの導入により、極めて短時間でスピードアップが可能になりました。SOLIDWORKSでの設計が完了していれば、ほとんどの場合、その日のうちに試作品が出来上がります。
数千もの部品を調整
現代のピンボールマシンは、部品が高密度に配置された機械システムです。試作品エンジニアのLuke Underwood氏は、配置調整の問題の難度について次のように説明します。「最大の課題は、すべてをメッシュ化することだと思います。(設計を社内で行った、および)多数のベンダーが担った数千もの部品があり、材料も多岐にわたります。それらすべてを組み合わせるのは至難の業です」
創業間もない頃は、van ES氏が手作りした試作品によって、ゲームのプレイ方法や、意図したとおりに機能するのかを明確にしていました。Adobe® Illustrator、発泡スチロール、段ボールを用いて物理的なホワイトウッド(試作品のこと)を作成しました。「通常は6つから7つのホワイトウッドを作っていましたが、納得のいく仕上がりになるまで、いくつでも必要な分だけ作成したものです」とvan ES氏は振り返ります。とはいえ、試作品を何度も繰り返し製作してからでないと多数の機械的な矛盾が可視化されないため、非常に時間のかかるプロセスになっていました。

物理的な製造前のデジタル適合
SOLIDWORKS® Designによって、より迅速かつ制御性の高いデジタル ワークフローが導入されました。SOLIDWORKS内で構成部品を組み立て、コンテキスト内で移動させると、SOLIDWORKSが部品の衝突箇所を即座に特定する、とvan Es氏は説明します。搭載されている衝突検知ツールと干渉チェックツールを使用して、重複するジオメトリを強調表示するとともに、現実世界において部品の適合や正しい動作を妨げる可能性のある物理的な矛盾にフラグを立てます。
この機能により、イテレーションに対するチームのアプローチが根本的に変わりました。物理的な試作品製作中に干渉を発見するのではなく、3次元モデル内で干渉を検出して解決できることから、チームでは、クリアランスの調整、モーションパスの改良、機械的な関係の検証を行ったうえでの製造が可能となったのです。その結果、想定外の問題の発生が減り、機械的な統合が緊密になり、実際に機能する設計に向けた効率的な道筋が手に入りました。

迅速な製品開発
Van Es氏は次のように付け加えます。「SOLIDWORKSの導入で、試作品の数が減少しています。ホワイトウッドを4つか5つ作成するまでは気づきもしなかった多数のミスを、今では画面上で確認できるからです」
製造においては、モデルの信頼性が基本となりました。Salisz氏は、「SOLIDWORKSできちんと機能するのであれば、どんなものでも99%の確率で、製造、成形し、盤面の必要な場所に配置することができます」と述べています。その結果、「試作品は、10回作成するのではなく、1、2回作成するだけで済みます。これは大きな違いです」Van Es氏は次のように続けます。「SOLIDWORKSの導入により、短時間でのスピードアップが実現しました。SOLIDWORKSでの設計が完了していれば、ほとんどの場合、その日のうちに試作品が出来上がります」

コンセプトから製造までを、少ないイテレーションと豊富な創造性で
Barrels of Fun社は干渉をデジタルで解決することで、後半段階での物理的試作品への依存を軽減しました。製造前にアセンブリをモデリングするという手順によって、チームは部品が意図したとおりに適合することへの安心感を深め、自信を持って設計から試作品へと移行していけます。
(前述した)機械的な矛盾が解消されるため、チームはプレイヤーの利用体験に集中することができます。Van Es氏は次のように話します。「他のことを一切心配する必要がないため、より創造力を発揮できます。今では(SOLIDWORKS を使用して)ピンボールの盤面で唯一無二のストーリーの見せ場を演出するための方法に集中できるようになりました」

もう一度プレイして
Barrels of Fun社では、エンジニアリング面での規律が創造への志を支えています。SOLIDWORKS Designでのデジタル モデリングにより、チームは数千もの構成部品を適切に配置し、物理的な反復作業の回数を削減し、コンセプトから製造可能なアセンブリへ短期間で進むことができます。その結果、機械的な精密さが感情的な没入感を支えるとともに、Barrels of Fun社が掲げる成功の定義、van Es氏が熱く語る言葉を借りるなら「一度遊べば、もう一度プレイしたくなる」を具現化すプロセスが実現しています。
製品:
- SOLIDWORKS Standard
- SOLIDWORKS Professional
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