Corebon社、電磁誘導により複合材製造を加速
この複合材テクノロジー企業は、SOLIDWORKSと3DEXPERIENCEを活用して複合材製造のモデル化、検証、拡張を行い、そのスピード、制御性、効率性を向上させています。
課題
カーボン ファイバー強化プラスチックの製造プロセスを効率化し、機器を最適化して、エネルギー使用量と開発時間を削減しつつ、部品の品質を維持する。
解決策
SOLIDWORKS Designと3DEXPERIENCEプラットフォームを活用して、デジタル モデルの作成やシミュレーションを行い、社内チーム間や顧客とより効果的にコラボレーションする。
結果
- デジタル モデリングと設計の再利用により、コンセプトから生産への移行を迅速化
- 情報の検索やツールの切り替えにかかる時間を短縮
- 加熱システムおよびツーリング システムをより効率的かつ予測可能な開発を実現
- ワークフローの合理化により、市場投入にかかる時間全体を短縮
カーボン ファイバー強化プラスチック(CFRP)は、重量、強度、効率に妥協できない用途に不可欠です。しかし、その製造には、サイクル時間の長さ、エネルギー使用量の多さ、プロセス制御の複雑さという足かせが依然としてあり、規模の拡張性が制限されています。スウェーデンの企業Corebon ABは、このようなハードルの高さを明確な機会と捉えています。
Corebon社は、誘導加熱テクノロジーを通じて複合材製造の生産効率を向上させようと重点的に取り組んでいます。同社のシステムでは金型や材料を迅速かつ均一に加熱できるため、メーカーはサイクル時間とエネルギー使用量を削減できます。従来の複合材製造は、オーブンやオートクレーブに依存しており、材料自体が適切な温度に達する前に大量の空気と金型を加熱する必要がありました。このため、熱遅延、不均一な加熱、重大なエネルギー損失が発生します。

Corebon社は、エネルギーを大量に消費する間接的なオーブン加熱を、的を絞った電磁誘導加熱に置き換えることで、従来の複合材製造の限界に挑戦しました。カーボン ファイバー素材内で直接熱を発生させることで、不要な熱質量を排除し、サイクル時間を短縮して、温度の均一性と制御性を向上させます。その結果として、CFRP製品構成部品の製造において、より効率的かつ拡張性に優れたアプローチが実現します。
ところが、同社が事業を拡大し、航空宇宙や自動車などの業界の顧客と連携するにつれ、より構造化された、拡張性に優れた開発プロセスが必要になりました。
複合材製造におけるスピード、エネルギー、複雑さを制御
複合材製造は、その性質上、どうしても複雑になってしまいます。温度を正確に制御する必要があると同時に、熱と圧力によって材料挙動が変わりやすいためです。金型も、熱サイクルと圧力サイクルが繰り返される中で、寸法の安定性と機械的な完全性を保つ必要があります。Corebon社の研究&イノベーション部門責任者であるKenneth Frogner氏は次のように述べています。「誘導加熱は、当社のソリューションの重要なテクノロジーです。薄い金属製の金型を非常に速く、均一かつ効率的に加熱することができます」

このレベルの制御を実現することは困難です。生産設備ごとに、カスタマイズされた金型や、加熱構成、冷却戦略が必要です。ジオメトリや材料の厚さが変化すると、さらなる課題が生じ、均一な温度と予測可能な成果を維持することが困難になります。
同時に、Corebon社の顧客(その多くは世界をリードする企業)は、開発サイクルの短縮と効率性の向上を求めています。Corebon社の最高商務責任者であるRasmus Kjellstrand氏は次のように説明しています。「競争力を維持するため、(当社のお客様は)生産を効率化し、より効果的に進める必要があります。そこで、Corebon社の出番です」
顧客の期待に応えるため、Corebon社は、複雑なシステムを設計して検証してから物理的に導入する方法を必要としていました。また同時に、社内コラボレーションを改善し、製品開発ワークフローにおける非効率性を削減する必要もありました。

関連リソース
SOLIDWORKSや3DEXPERIENCEなどのデジタル ツールを使用することで、当社のセットアップのデジタル ツインを構築できるようになりました。加熱や冷却の挙動を最適化して予測することも可能です。
デジタル モデリングとコラボレーション
Corebon社は、SOLIDWORKS® Designと3DEXPERIENCE®プラットフォームを採用して、開発プロセス用のデジタル基盤を構築しました。Frogner氏は次のように述べています。「SOLIDWORKSや3DEXPERIENCEなどのデジタル ツールを使用することで、当社の構成のデジタル ツインを構築できるようになりました。加熱や冷却の挙動を最適化して予測することも可能です」
この機能により、Corebon社のエンジニアは、温度分布やサイクル挙動などのパフォーマンス特性を評価してから、物理的に構築できるようになりました。その結果、設計上の意思決定を工程の早い段階で検証でき、物理的な試作品の必要性が減少しています。
モデリングだけではありません。3DEXPERIENCEプラットフォームで、コラボレーションの課題にも対応できました。Corebon社では、従来のサーバーベースのシステムからクラウドベースの環境に移行することで、チーム間のアクセシビリティと調整が改善しました。Corebon社のプロジェクト マネージャーであるCharlotte Granat氏は次のように述べています。「3DEXPERIENCEを(活用し)始めて以来、業務が非常にスムーズに進むようになりました。情報の検索やツールの切り替えにかかる時間も短くなっています」
また、既存の設計を再利用できるため、作業の重複が減りました。Kjellstrand氏は次のように説明します。「3DEXPERIENCEはとても便利で、既存の設計すべてを新たな顧客プロジェクトで再利用することができます。これは市場投入にかかる時間の短縮と社内の開発プロセスの効率化に本当に役立ちました」

より迅速な開発とより効率的なワークフロー
SOLIDWORKS Designと3DEXPERIENCEプラットフォームの導入により、Corebon社はより構造化された予測可能な開発プロセスを確立しました。たとえば、デジタル モデリングにより、チームは生産前にシステムの挙動をよりよく理解できるようになり、不確実な点が減り、より適切な意思決定が可能になりました。
検証済みの設計を再利用できるため、開発時間も大幅に短縮されます。エンジニアは、各プロジェクトをゼロから開始するのではなく、以前の作業をベースに構築できるため、コンセプトから生産への移行が加速されます。この点は、スループット時間の短縮と生産効率の向上というCorebonの目標に直接作用しました。
コラボレーションの改善も同様に重要でした。クラウドベースのプラットフォームへの移行により、情報へのアクセスと共有における摩擦が軽減され、チームの結束力が向上しました。このメリットは顧客とのコラボレーションにも広がり、デジタル モデルを共有することで、生産前に設計意図や、プロセス パラメーター、期待値を調整できるようになりました。
戦略的なレベルでは、これらの改善により、複合材製造における生産効率の向上というCorebonの広範な目標がサポートされました。CEOのOla Olsson氏は次のように締めくくります。「Corebon社には、業務のデジタル化を求める大きなニーズがあります。SOLIDWORKSと3DEXPERIENCEを採用したことで、その移行をサポートするインフラストラクチャを得られました」

複合材製造において体系化されたイノベーションを実現
SOLIDWORKS Designと3DEXPERIENCEプラットフォームを導入したことで、Corebon社は、エンジニアリング成果の予測可能性を高め、開発サイクルを短縮し、コラボレーションを改善するデジタル ワークフローを確立しました。その結果、イノベーションに対してより体系化されたアプローチを取れるようになり、複雑な製造システムを一層自信を持って効率的に開発できます。
製品:
- SOLIDWORKS Professional
- 3DEXPERIENCEプラットフォーム
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