EHM：輸送の環境への影響を低減する水素エンジンを開発

EHM（Efficient Hydrogen Motors）社の構想は、ブルターニュ（フランス）のパイロット兼機械分野の専門家であるAndré Morin氏と、カリフォルニアの化学者兼物理学者であるWilson Hago氏が出会ったことが始まりです。2人は、二酸化炭素回収システムを備えた、新しいハイブリッド水素エンジン システムの商用化を目指しました。

時は過ぎ、2022年3月に、ブルターニュのビジネス開発専門家であるDidier Arénal氏がこのスタートアップの社長兼CEOとなると、フランス全土から博士とエンジニアから成るチームを集めました。EHM社は現在、運輸自動車業界向けの革新的な水素エンジンを開発しています。再設計された燃焼サイクルと適合材料を使用して、特許取得済みの画期的な技術を通じて水素への移行を推進しようとしています。従来の水素燃焼エンジンや燃料電池エンジンを超える、二酸化炭素排出量ゼロの高効率で耐久性に優れた、トラック、バス、船舶用水素エンジンを低コストで製造しています。

EHM社では、2023年に車両を用いた試験を計画しており、生産ユニットを追加する予定です。これによって、ブルターニュ地方に雇用がもたらされます。最終的には、フランスと欧州にも事業を拡大する予定です。

3DEXPERIENCEにより、革新的なコラボレーションを実現

ほとんどの企業では、誰がどのプロジェクトを担当しているのかや、各プロジェクトの終了予定日、遅延発生の理由、問題の解決方法を把握できないことが常に課題となっています。ほどなくしてEHM社は、クラウドベースの3DEXPERIENCE®プラットフォームが提供するクラウドベースの製品開発環境により、顧客、サプライヤー、メーカーなどの社内外の関係者間のコラボレーションを促進できることを知りました。

スタートアップ企業である同社は、エンジニアの多くがすでにSOLIDWORKS®を利用していたことから、クラウドベースの3DEXPERIENCEを導入することにしました。EHM社のチームは、仮想的なコラボレーションによる効率性とセキュリティにより、大きなメリットを得ています。エンジニアのDimitri Percheval氏は次のように述べています。「チーム全体のすべての部品のデータが一箇所で集中管理されるため、見つけるのが非常に簡単で便利です。（プラットフォームの）ロック システムがあるため、同僚が特定の部品の作業をしているかどうかがすぐにわかります」エンジニアのPierre Guénot氏は次のように付け加えます。「非常に簡単迅速に全員の部品にアクセスできます。長い時間をかけてインストールすることなく、すべてのツールにオンラインでアクセスすることもできます」

3DEXPERIENCEプラットフォームのユーザーは、権限に基づき、インターネット接続によって、単一のフレームワークのコラボレーション アプリを通してどこにいてもライブ製品コンテンツにアクセスできます。

CEOのDidier Arénal氏もそれに賛同して次のように述べています。「また、それぞれがイノベーションの開発に専念できます。加えて、コラボレーション機能に富むプラットフォームであるため、各自がお互いの作業内容を把握し、全体としてイノベーションを大きく前進させることができます」Guénot氏もこの意見に同意します。「それぞれが担当する部品について何が変更されたのかを非常に簡単に把握できるだけでなく、簡単に変更を行うことさえできます。また、スーパーバイザーやプロジェクト マネージャーは、進捗を確認し、部品について意見があれば伝えるといったことが簡単にできます」

Arénal氏は次のように締めくくります。「いつでも、このプラットフォームで最新データを入手できます。作業しているのは古いバージョンなのか最新バージョンなのかと心配する必要はありません。全員が最新バージョンを使用しています。3DEXPERIENCEのおかげで、スタートアップ企業は価格が手頃で高品質なソフトウェアを利用できるため、現在市場をリードする業界の大手企業とも対等に渡り合うことができます」