eSki社、SOLIDWORKSと3DEXPERIENCE Worksを利用して個人向け水上バイク技術を革新

キャンピング カーのスタートアップ企業が、効率、パワー、持続可能性を備え、さらに騒音レベルを極端に抑えた電動モデルを発表し、個人向け水上バイクの既成概念を打ち砕いています。 

課題

全面的に電動化することで二酸化炭素排出量を大幅に削減するとともに、従来の製品と同じパワーを備えた新しい個人向け水上バイクを開発する。 

解決策

スタートアップ企業向け3DEXPERIENCE Worksプログラムの一環として、SOLIDWORKS®と3DEXPERIENCE® Worksのデータ管理、コラボレーション、シミュレーション、コミュニケーション、プロジェクト管理の各ソリューションを使用して設計、仮想的なテストを行う。これには、SOLIDWORKS Professional CAD、SOLIDWORKS Simulation Professional、SOLIDWORKS Simulation Premium、Collaborative Designer for SOLIDWORKSのほかに、Collaborative Industry Innovator、3DSwymerの各ロールも含まれる。  

結果

  • これまでになかった製品をSOLIDWORKSで開発
  • 開発コストを削減
  • 試作品の反復サイクルを排除
  • コラボレーションを強化

釣りを楽しんでいる人や、海でゆったりと過ごす時間を楽しんでいる人が、何台もの個人向け水上バイク(PWC)にイライラを感じるのも無理からぬことです。騒音と排気ガスを周囲にばらまき、穏やかに釣りやボート漕ぎに興じている人の楽しみを奪います。

eSki水上バイクの構想を打ち出したのはJack Duffy-Protentis氏であり、世界初の個人向け全電動式水上バイクの会社の設立者でもあります。 二酸化炭素排出量の削減を旗印に、eSki社は、持続可能性と革新性を融合させ、PWCの世界に新しい風を吹き込んでいます。

「法律に疎いうえに、自動車の運転ができないカー マニアなんです」とDuffy-Protentis氏は自虐的に語ります。ガソリン式の従来のPWCは、1時間あたりのCO2排出量が250ポンド(約113kg)で、しかも寿命はわずか250~500時間です。「当社の[電動式]個人向け水上バイクの寿命は1,000時間を超えます。EVなので環境に優しく、静かでシンプル、しかも安全です」

eSki社の水上バイク

新規ビジネス立ち上げを支えたもの

スタートアップ企業向けSOLIDWORKS®プログラムの目的は、創業間もないスタートアップ企業を支援し、成功を加速することです。SOLIDWORKSと3DEXPERIENCEプラットフォームが利用できるようになるため、非常に低コストで多彩なツールやリソースを活用することができます。 このプログラムは、事業を始めたばかりで、製品の開発や改良にプロ仕様の設計ツールを必要としている、ハードウェアのスタートアップ企業や起業家にとって特にメリットがあります。

Duffy-Protentis氏は、スタートアップ企業向けプログラムはまさにeSki社に相応しいと直感しました。同氏にとっての課題は、革新的で高性能な電動式PWCの設計だけでなく、概念設計から生産までの開発工程を合理化することでした。

SOLIDWORKSと3DEXPERIENCE Worksを使用してeSkiを開発

関連リソース

3DEXPERIENCEプラットフォームは、チーム メンバー間でコラボレーションできるだけでなく、xShapeのようなツールも用意されているため、大変重宝しています。[3DEXPERIENCE Worksのツールとともに]SubDモデリングを使用して、実際に寸法を測ることができるようになりました。非常に便利です。 

Jack Duffy-Protentis氏
創業者兼CEO

目標達成に欠かせないプラットフォーム

eSki社は、スタートアップ企業向けプログラムの一環として用意されている3DEXPERIENCE®プラットフォームも活用しています。このプラットフォームは、クラウドベースの製品開発環境で、会社内外の関係者と効率的に連携することができ、ブラウザベースの豊富なツール群が備わっています。

3DEXPERIENCEプラットフォームは、チーム メンバー間でコラボレーションできるだけでなく、xShapeのようなツールも用意されているため、大変重宝しています」とDuffy-Protentis氏は語ります。このプラットフォームでは、3D SculptorのxShapeアプリも利用できます。このアプリは、複雑なフリーフォーム形状を作成することを目的とした特殊なツールで、サブディビジョン モデリング環境で滑らかな様式化された形状(特にPWC設計では重要な形状)を簡単に作成することができます(同社は以前、サブディビジョン モデリングにAutodeskのMayaを使用していました)。「[3DEXPERIENCE Worksのツールとともに]SubDモデリングを使用して、実際に寸法を測ることができるようになりました。非常に便利です」とDuffy-Protentis氏は語ります。

このプラットフォームには、サプライヤーとつながるために非常に役立つリソースも用意されています。エンジニアは、業界に直接のコネがなくても、部品をアップロードして、サプライヤーからフィードバックをもらい、生産に入ることができます。eSki社が試作品から生産に効率よく移行するうえで、この機能が欠かせないことは明らかでした。「たとえば、ノーズ コーンを製造するとしても、[スタートアップ企業なので]射出成形会社とのコネがそれほどあるわけではありません」とDuffy-Protentis氏は説明します。「このプラットフォームを使えば、その部品を取得してアップロードし、次のように依頼するだけです。「これに問題なければ、どなたか作っていただけませんか」」

eSki社、SOLIDWORKSのシミュレーション ツールを使用してデジタル版試作品を作成

デジタル版試作品を作成

eSki社は、SOLIDWORKSのシミュレーション ツールで、落下試験、衝撃試験、応力解析などの重要な試験を実施しました。こうしたシミュレーションは、ギアボックスのようなコンポーネントの設計や耐久性を検証するうえで不可欠です。潜在的な故障を防止し、適合しない材料を購入せずに済むためコストを削減できます。「当初は手計算でしたが、SOLIDWORKS Simulationを使い始めてから、計算の信頼性が向上しました」とDuffy-Protentis氏は説明します。「ギアボックスのシミュレーションを実行したところ、使おうとしていたギアとシャフトが壊れることがわかりました」シミュレーションのおかげで、問題のある部品を発注せずに済み、その部品を取り付けていれば発生したはずの問題を回避することができました。

最後にDuffy-Protentis氏はこう語ります。「最初の機能的な試作品を完成させることができました。ボディーも駆動系もすべてSOLIDWORKSで作り上げました。目下のところ、MVP(実用最小限の製品)量産前ユニットを製作するための資金集めに奔走しているところです。何台か作ったら、レンタル会社に持ち込み、フィードバックをもらい、想定どおりにすべてが機能することを確認したら、生産に入るつもりです」

eSki社による水上バイクの生産

ビジョンを実現する

eSki社はSOLIDWORKSにより、革新的な製品を開発しただけでなく、スタートアップ企業に常に立ちはだかる業界の大きな壁を乗り越えることもできました。SOLIDWORKSは、高度な設計ツールと、コラボレーションやサプライヤーとのやり取りの基盤となるプラットフォームを通じて、持続可能で高性能な個人向け電動式水上バイクを世界市場に送り込むというeSki社のビジョンが一歩ずつ実現に近付くように支援しています。

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