メカトロニクスとは

メカトロニクスの定義

メカトロニクス(メカトロニック エンジニアリング)は、機械工学、電気工学、電子工学、ソフトウェア工学などの分野の作業を統合した、学際的な分野です。メカトロニクスの独自の利点は、これらの分野の相乗効果から生まれます。現代の製品設計は、単一の分野だけでは実現できません。メカトロニクスに対する需要の高まりは、複雑化する製品やシステムの開発を続けていく中で、学際的な設計とエンジニアリングを優先する方向への転換を示しています。

インダストリー4.0からインダストリー5.0へ

インダストリー4.0のメカトロニクス

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インダストリー4.0(第4次産業革命)は、製造分野における技術革新の現状を概念化したものです。インダストリー4.0では、自動化、人工知能、インテリジェント/コネクテッド マシンに重点が置かれています。また、インダストリー4.0では、IoTデバイスだけでなく、製品自体の設計や提供するエクスペリエンスのいずれにおいても、デジタル世界と物理世界の融合を重視しています。 

メカトロニクスは、こうしたインダストリー4.0のテクノロジーの多くを実現する重要な役割を担っています。メカトロニクスの分野では、エンジニアが電子工学を物理的な設計に統合することで、従来の製品を、現在標準として受け入れられている技術インテリジェンスや無線通信のレベルまで高めています。物理的な世界にデジタル体験を提供し、高性能な技術と電子工学を製品設計に統合することで、メカトロニクスは、インダストリー4.0の波を特徴づける、絶え間ないイノベーションの原動力として、今後も浮上し続けるでしょう。

インダストリー5.0の展望

インダストリー5.0は、インダストリー4.0のイノベーションをさらに一歩進めます。インダストリー5.0では、生産の最適化に加え、社会的および環境的な利益にも重点が置かれます。人間とインテリジェント マシンがより緊密に結びつくことで、コラボレーションはますます強化されます。インダストリー4.0と同様に、インダストリー5.0でも引き続き、自動化、人工知能、拡張/仮想現実が優先されますが、これらのテクノロジーとシステムを日常生活に組み入れ、仮想的にも物理的にも日々の体験を総合的に向上させる方法を検討することで、これらの概念をさらに推進します。

インダストリー5.0への移行に伴い、メカトロニクスは引き続き、新しい統合技術の開発を推進する上で重要な役割を果たし、技術革新の時代の移り変わりを促進します。テクノロジーやシステムがますます複雑になるにつれ、学際的な設計やコラボレーションの必要性も高まっています。メカトロニクスは、製品設計とイノベーションに対するこのような学際的アプローチを内包する分野であり、インダストリー5.0へと進むにつれて需要が高まっているタイプのプロジェクトを示す良い例となっています。 

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誰が何を作ったのか

ここまで見てきたように、メカトロニクスは学際的な分野です。カナダ、オンタリオ州のFIRST® Roboticsのチーム、Celt-X Roboticsが作成した実際のSOLIDWORKSモデルを見てみましょう。ここでは、多くのメカトロニクス システムの相互接続された性質を示し、完成したメカトロニクス製品を基に、誰が何の設計を担当するかを示す例をいくつか紹介します。

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機械エンジニア

機械エンジニアは、ここに示されているホイールのようなメカトロニック製品の物理的な構成部品を設計する責任を負います。これが、構成部品を動かすギアのモデリングであっても、電気電子システムを収容するロボットや機械の本体を設計する場合でも、機械エンジニアは製品の最終設計を形成する上で重要な役割を果たします。

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電気エンジニア

ロボットからIoTデバイスまで、すべてのメカトロニクス設計では、設計全体で安全かつ効率的に電力を供給するために、一定レベルの配線、構成部品の選択、検証が必要です。これらの移動物理システム内での適切な配線経路や回路仕様を決定する電気エンジニアがいなければ、メカトロニクス設計が最大限に機能することはできません。

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電子エンジニア

電子エンジニアは、回路の仕様に重点を置き、メカトロニック製品でPCBの設計と実装を行います。PCBにより電気部品の機械的接続が可能になり、信号と電力を回路全体に伝達できます。電子工学により、全体的に整合性と操作性が向上したメカトロニック システムが実現され、製品の品質と顧客満足度が向上します。

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ソフトウェア エンジニア

ソフトウェアエンジニアには、システムとネットワークの統合、デバイス通信の促進、マシンの状態(物理的かデジタルかに関係なく)の制御、さらにはグラフィカル ユーザー インターフェイス(GUI)の開発に必要なソフトウェアの開発が求められます。最終的に、ソフトウェア エンジニアは、学際的かつ同時に物理的製品、デジタル製品、エクスペリエンスの開発に貢献します。

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システム アーキテクト/インテグレーター

メカトロニクスは、学際的な性質を持つため、システム アーキテクトからの情報を必要とします。システム アーキテクトは、上記の分野間の相互接続を監督する責任があります。システム エンジニアは、ハイレベルのプロジェクト マネージャーとして機能し、メカトロニック プロジェクトを最初から最後まで監督し、設計から製造まですべてのチーム間の連携を確保します。

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メカトロニクスの活用分野

メカトロニクスは、製品、電力システム、建築および製造、テクノロジー、設計など、ほぼすべての分野で使用されています。メカトロニクスを必要とする分野の例を以下に示します。

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