Challenge
Solution
Results
- 市場投入期間を80%短縮
- 設計サイクルを70%短縮
- 生産コストを20%削減
- 頑丈な機械設備の必要性を最小限に
Kenny Yeoh氏は、子どもの頃からカスタム仕様のオートバイを収集することを夢見ていました。彼は、マレーシア在住の設計エンジニアです。大手の高速バス/路線バス製造企業であるSKS Coachbuildersの設計主任として、日々の業務に携わっています。その傍らで、SOLIDWORKS® Premiumと3Dプリントを使って、子どもの頃の夢を実現しています。Yeoh氏は、このソリューションを駆使して、短期間でコストをかけずに、カスタム仕様のオートバイの設計、作成、組み立てができるようにし、Kenstomoto(Kenny’s Custom Motorcyclesを縮めたもの)を立ち上げました。
アキラやガンダムのような日本のアニメーションに登場するカラフルで生き生きとした、奇想天外なオートバイに触発されて作った、カスタム仕様のオートバイのデザインは、人気上昇中です。人気を上げている大きな要因は、ソーシャル メディアで会社の認知度を上げていること、オートバイの展示会で圧倒的なレセプションを開催していることです。Valkyrie、Ju、Mechastallion、Demolisherのような名前に現れているように、Yeoh氏の創作物は、3DプリントとSOLIDWORKS設計ツールなしでは実現不可能でした。
「SKS Coachbuildersでは、何年か前からバスの設計にSOLIDWORKSを使い始めています」とYeoh氏は説明します。「市場投入までの期間を短縮するために、旧式のCAMモデラーの後継として初めて使った3次元CADプログラムがSOLIDWORKSです。自分が携わっている設計には必ずSOLIDWORKSを使います。Kenstomotoのバイクもそうです」
Yeoh氏によると、カスタム仕様のオートバイのビジネスにSOLIDWORKSを選んだ理由は、習得が簡単で使いやすいこと、積層造形の作業の精度と効率が高いことです。これは、1回限りのカスタム仕様の設計を短時間、低価格で制作するうえで非常に重要です。「SKSでSOLIDWORKSが導入されるまでは、3次元CADとは無縁でした」とYeoh氏は説明します。「しかし、SOLIDWORKSの使い方を解説したオンライン リソースやYouTubeの動画を一通り見ているうちに、短期間でソフトウェアにすっかり馴染むようになっていました。自分が入れ込んでいる様子から分かるように、ソフトウェアの使いやすさはお墨付きです。カスタム仕様のオートバイの設計作業にとって、他の選択肢はまったく考えませんでした」
Kenstomoto初のカスタム仕様のオートバイは、SOLIDWORKSで設計した3Dプリントの部品を応用して作られました。このオートバイは、Kawasaki製の中古オートバイの改造版で、Yeohの自宅のリフォーム計画と同時進行で改造したものです。「自宅をリフォームしたのですが、リフォームに丸一年かかりました」とYeoh氏は振り返ります。
「リフォーム中はほとんど何もすることがありませんでした。その頃は、自分の日常業務でちょうど3Dプリンタを使い始めたばかりでした」とYeoh氏は続けます。「そこで、Kawasaki製の中古オートバイを買って、特別仕様にすることにしました。乗り物として使うのではなく、新しいリビング ルームの装飾品として置くことを思い立ちました。それが、自分がカスタマイズした最初のバイクです。この作業はとても楽しかったため、カスタム仕様のビルドを作り続けることにしました。これが、Kenstomoto誕生のきっかけです」
オートバイの設計とビルドには、毎回、SOLIDWORKSと3Dプリントを使い、過去のカスタム仕様の設計で得た教訓を実際に活かすようにしています。その結果、設計サイクルの短縮、開発コストの節約、市場投入期間の短縮を実現しています。「SOLIDWORKSを使って、効率を上げ、コストを下げることができたため、設計を進化させることができ、ごく短時間で設計に変更を加えられるようになりました」とYeoh氏は強調します。
「たとえば、SOLIDWORKSのおかげで、DemolisherからJuまでの間にモデリングの時間を70%短縮できました」とYeoh氏は説明します。「SOLIDWORKSで設計を微調整すればデータの変換も試作品の組み立てもせずに済むので、時間もコストも節約できます。ほとんどの部品に3Dプリントを使えますが、場合によっては金属をレーザーで切断しなければならないこともあります。しかし、頑丈な機械設備がほとんど必要なくなるため、製作費を20%削減することができます。このような節約が功を奏して、市場投入までの期間を80%も短縮することができました」
ソーシャル メディアに、Kenstomotoのカスタム仕様のオートバイが紹介されたため、カスタム仕様のデザインのオートバイのサブシステムや付属品に対する需要が生まれました。例を挙げると、オートバイのヘッドランプ システムやカバー セットなどですが、これは顧客が、手持ちのオートバイに付いてきた工場出荷時のシステムの付け替えに使うものです。Kenstomotoは、Monocle、Cyclops、Sabre、Illumiotoというブランド名でヘッドランプ システムの販売を始め、個別の顧客向けにカスタム仕様のカバー セットも開発するようになりました。
「ヘッドランプやカバー セットのような付属品を扱う場合、それは個別のビルドに比べてはるかに大きな潜在市場になるため、それぞれのオートバイの作り、サイズ、モデルに合わせるのに必要な組み合わせの数も膨大になります」とYeoh氏は指摘します。「このような設計はできる限りモジュールに分けようとしますが、個別の違いが相当な数になります。SOLIDWORKS設計コンフィギュレーション ツールを使うと、基本の設計をベースにして可能な組み合わせをすべて試せるように、設計の派生形をすぐに作ることができます。これで、余計に時間がかかることもなく、それぞれの注文に合った部品を用意することができます」
「Kenstomotoがカスタム仕様のオートバイのビジネスにSOLIDWORKSを選んだ理由は、習得が簡単で使いやすいこと、積層造形の作業の精度と効率が高いことです。これは、1回限りの特別仕様の設計を短時間、低価格で制作するうえで非常に重要です。カスタム仕様のオートバイ、部品、付属品を対象としたビジネスにSOLIDWORKS Premiumを応用することで、製品の市場投入期間を80%短縮、設計サイクルを70%短縮、生産費を20%削減することができ、頑丈な機械設備の必要がほとんどなくなりました」